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ペーパージャケット/開発の裏側【#06 流れを変えたデザインアイデア】

バタフライボードの福島です。

現在、鋭意開発中の第8弾新製品をどんな想いでかたちにし、どうやって製品化を試みているのか、モノだけでは見えない「開発のプロセス」を少しづつですが共有させていただいています。

第6回目は「流れを変えたデザインアイデア」です。

これまでに紹介させて頂いた技術的な理論が確立した後は、プロダクトとしてどう見せるかという「デザインフェーズ」をハイロックさんと意見をぶつけ合いながら行いました。徹底的に無駄を削ぎ落とし機能の存在を無くすという私の設計思想に対し、遊びごころで所有する楽しさを追究するハイロックさん。お互いの「こだわり」が異なることが、今回のペーパージャケットのデザインに繋がったと思っています。

技術コンセプトのプロトタイプ(2021年4月時点)

開発当初は技術的な可能性を広げるため、A4/A5/A6の3サイズのバリエーションで検討を行いました。最終的には、最もポピュラーなA4用紙をそのまま使えるということで、A4に集中し完成度を上げていくことにしました。

ちなみに一番大きなA4サイズ且つ短辺綴じという、最もホールド力が求められる難易度が高いパターンがペーパージャケットです。

この技術プロトをベースに、量産性を考慮しながら極限まで削ぎ落していきました。
3DCADと2DCADで理想形状を決めた後は、実際に手に馴染むカタチを追究していきました。
究極の心地よさを実現するために、スクラップアンドビルドを繰り返しました。


悩みに悩んだカラー決定(2021年6月時点)

基本カラーサンプルで色を絞っていくのですが、どうしても実際のサイズに落とし込んで体で感じないと決められないということで、プロトをつくり、使い、持ち運び、あらゆる環境で見え方を検討をしていきました。

カフェや公園や電車の中など、周りから見たらかなり怪しい人と思われていたと思います(苦笑)

3種のグレーとブラック
3種のグレーとベージュ
決定したマットなダークグレー

最終的には、マットなダークグレーに決定。グレーはニュートラルカラーでどんな環境にもマッチするという思いで、何となくグレー系をメインに考えていたのですが、青系のグレー、赤系のグレー、薄い、濃い、、、、と考えれば考えるほど難しいのがグレーというのが分かりました。

ブラックも候補にはありましたが、A4サイズ全部が真っ黒になると、全体的にかなり重くなり、学校の出席簿のイメージから脱却できませんでした。。。

最終的にはハイロックさんも私も納得の『マットなダークグレー』に出会えました。表面シボが深いので、光の加減で見え方が変化するのも面白いです。


流れを変えたロゴデザイン(2021年8月時点)

シンプルが故の難しさ、自由度がありすぎる難しさを痛感しました。
あらゆるデザインパターンを検討しましたが、なかなか決定打にたどり着かず、シンプルにしすぎた事で難易度が上がった気がしました。。。

しかし、ここはハイロックさんのアメリカの社内便封筒(エンベロープ)をイメージするアイデアが大きく流れを変えてくれました。

エンベロープの丸タックをイメージした丸ロゴで、さりげなくアイコニックに施しながら「どの方向からでも自在に使えるペーパージャケットの特徴を表現する」というデザインのコンセプトが決定しました。

<デザインコンセプト>
目指したのはシンプルで合理的、普遍的なかっこよさを持つ『現代版アメリカンベーシック』。

最終的には、シンプルさとアイコニックさのバランスで、下の①に決定。
このロゴについても、全パターンでデザインモックをつくり、使い、持ち運びながら決定していきました。

もう一つ意識したのが、100年以上続くノート界のレジェンド『リーガルパッド』。この黄色い紙のメモは、とにかく気分を上げて、かく事を楽しくしてくれます。

しかし、アメリカのようにどこでも売っているわけでもなく、意外と日本では高かったりと、気軽に使うはずなのに気軽に使えない。。。。
加えて、持ち運びたくなる私にとってカバーは必需品なのですが、世の中に存在するカバーは、どうも野暮ったい。。いかにも後付け感があります。

ということで、ペーパージャケットに黄色い紙を綴じれば、何度も使えるリーガルパッドになって気軽に使えることも重要な要素でした。

ジャストサイズなカバーが、マグネットロックにより、開けても閉じても用紙と一体化するので、カバーの存在は全くなくなるのがポイントです。

ペーパージャケットに黄色い用紙を綴じた状態。狭小な綴じ部に加え、カバーの存在もありません


ということで、
USエンベロープ × リーガルパッド
=現代版アメリカンベーシック『ペーパージャケット』


箔押しパターン(2021年10月時点)

以外と難しかったロゴ仕上げ。
ここも箔のサンプルで決定するのではなく、型を起こし6パターンの箔と押しの深さ2種で合計12パターンでプロトを作り決定していきました。

主張するのか、控えめにするのか、最後まで悩みました。。。。

普通ここまでやらないであろう12パターンの箔押し検討。
ロゴの最終デザイン

最終的には、シルバーの艶消しで、ロゴつぶれが出ない限界まで深く押す仕様に決定。特に箔押しロゴは、光によって見え方が全く異なるため、こちらも全パターンのモックをつくり、使い、持ち運んで決定していきました。

ロゴ自体は主張するものの、ペパージャケット全体では程よくアイコニックで上質感を出せたと思います。

最終形のペーパジャケット


ということで、
私の硬い頭では到底たどり着かなかったペーパージャケットの完成形。ハイロックさんの遊びごころで、このペーパージャケットがワクワクするプロダクトになった思います!

左:バタフライボード福島 右:ハイロックさん


もちろんローンチ後のフィードバックで、カラーやサイズの展開は検討していきたいと思っていますので、ぜひご意見をお待ちしています!

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