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【'23新曲レビュー②】ー1/16~1/22ー

みなさん、こんにちは。m.c🦋です。

この1週間にでた新曲からピックアップ。
…と行きたいところですが、今回はこの期間にでた5枚のアルバムについて書いていこうと思います。


♬今週よくきいたアルバム♬


『12』/ 坂本龍一


2017年発売の『async』以来、約6年ぶりのオリジナルアルバム。2021年の1月に直腸がんを公表しており、現在も闘病中である坂本龍一が、その闘病生活の中、日記を書くように制作した音楽のスケッチから12曲を選出した作品集とされている。曲名は「20210310」「20211130」「20211201」…となっており、これらは文字通り坂本が"日記"をつけた日にちだと思われる。たった一人で紡いだとされる音は静謐で荘厳ささえ感じる。ミニマルなピアノとシンセの他、ザーというノイズから、坂本自身の息遣いまで聞こえるのがとても興味深い。じっと耳を澄ませていると、一人でピアノに向かい、鍵盤を一つ一つはじいていく指先が目に浮かぶようである。やがて呼吸のリズムさえ溶け合い、私は彼と同化したかのような気分になった。(2023年1月17日リリース)


『v』/ SawanoHiroyuki[nZk]


ドラマや映画、アニメなど映像の音楽活動を中心とする音楽家、澤野弘之。これまでに手掛けた作品は「機動戦士ガンダムUC」「進撃の巨人」「七つの大罪」「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」など多数。かなりの売れっ子である。
この”SawanoHiroyuki[nZk](サワノヒロユキヌジーク)”は、その中でもボーカル楽曲に重点を置いたプロジェクト。4作目となる今作では、ヨルシカのsuisや秦基博、ASKAなど、全12曲のうち10組のアーティストをフィーチャー。映像作品のサントラなども手掛ける彼らしく、ボーカリストごとに毛色の異なる音を組み立てているさまは圧巻。そのため1枚のアルバムながらバラエティ豊かに楽しめる。お気に入りの曲を見つけるのも楽しい。音圧も最高。(2023年1月17日リリース)

おススメ曲 →  3/ 4 / 7


『映帶する煙』/ 君島大空


1995年生まれのアーティスト、君島大空。今週とりわけ好きなのはこれかもしれない。壊れたテレビを思わせるザラザラした”汚い”音と、正反対に美しく綺麗な音たちが、君島大空の澄んだ(とはいえ虚ろな)声を介してつながっている、ような印象を受ける。いや、決してつながっているわけではなく、どこかちぐはぐな感じだ。あくまで尖っているし、「壊」というキーワードはアルバムを通して私の頭から出ていくことはなかったが、そもそも「綺麗」とは、どのような状態のことをいうのだろうか。まとまって丸くなっている状態か、それとも音が調和していると感じる状態か。それすらわからなくなってしまったのは、このアルバムに収録された曲群を「美しい」と思わざるを得なかったからだ。尖っていようが、汚い音があろうが、それすらもそのままで美しい。雑音そのものが美しいのではなく、美しい雑音がここにはあった。(2023年1月17日リリース)

おススメ曲 → 5/8/10


『RUSH!』/ Måneskin


今や世界をまたにかけるイタリア発の4人組ロックバンド、Måneskin(マネスキン/ モーネスキン)の3枚目のスタジオアルバム。曲名を見ると分かる通り、イタリア語の曲はひとつだけで、それ以外は英語詞となっている。
マネスキンといえばガンガンにならすロックナンバーがやはり代名詞だが、3曲目の「TIMEZONE」や10曲目の「IF NOT FOR YOU」など、随所にバラードがちりばめられているのも聴き手の心をくすぐる。おススメは、疾走感のある2曲目「GOSSIP」と、名前通り爆発力のある6曲目「GASOLINE」。どことなくBon Joviのあの曲を彷彿とさせる曲だ。そして個人的に好きなのは4曲目の「BLA BLA BLA」。"BLA BLA"といえば、会話でよく使う表現で、”あれとかこれとか~”とか”なんちゃらかんちゃら~”みたいな意味だが、こういう何気ないテーマを曲にするある種のいたずら心と文学性は、まさに今勢いのある彼らの力量を説明するのに十分だ。(2023年1月20日リリース)

おススメ曲 → 2/4/6


『WHOOPEE』 / 礼賛


今週一番度肝を抜かれたアルバム、ということになれば圧倒的にこのアルバムである。ラップだ、サウンドもかっこいいな…と思って調べたらバンドには川谷絵音の文字。ああたしかに!と、そういわれてみればたしかに川谷絵音イズムである。問題はそこではなく、このラップを歌っているのはだれかということなのだが、お笑い芸人の男女コンビ「ラランド」のサーヤである。えっえっ…?確かに切り返しのスピード感とか、ツッコミの鋭さとかからキレるイメージはあったけどえ…?と、再度聴き直して、やっぱり無事にやられました。
礼賛(らいさん)のラップはリズム感、言葉選び、声質どれをとっても一級品ではないでしょうか。カッコよさだけじゃなくて、遊び心もある。かなり好きです。なにより川谷さんが参加するとかなり個性的になりがちだけど、そこにサーヤさん(CLR{クレア}名義)の個性が一切負けておらず、すごくバランスよいと感じました。これからの活動にも注目したいです。(2023年1月17日リリース)

おススメ → 1/4/5/6


(★は特にお気に入りの曲)

♪プレイリスト♪


各おススメ曲を抜粋したプレイリストです。
ここから追加できます。


🦋今週のひとこと🦋


今週は通しで聴いて楽しいアルバムが大豊作でした。

🦋

次回は2月3日(金)に投稿予定。新曲レビュー③です。お楽しみに!

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