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入社1年後に名刺を渡されて知る、 心の変遷。
去年の今頃、今の会社に入ったものの、コロナの影響か、いつも名刺を発注していた業者が倒産したため、発注作業が滞り、入社1年後の昨日になってようやく私の手元に名刺が来ました。
本来は入社時にいただいてもおかしくない名刺ですが、1年後に手にしてふと思う事がありました。
20年ほど前に初めて事務職に就き、ようやく名刺というものを手にできるのではとワクワクしていたのですが、上司に「君に名刺は必要ないだろう」と言われがっかりした記憶があります。
諦めきれず、会社のロゴが入っているブランクの名刺を業者の人にもらい、
自分で印刷屋に持っていき、名刺を作ったことがありました。出来上がった名刺の印字の色が、正式なものより若干薄く出ていて、残念な思いをしつつも、「やっと名刺を持つ社会人になれた!」と嬉しくて、何度も眺めていたような。
その後、渡米を理由にその会社を退職し、ビザが下りるまで働こうと、派遣の仕事に就きました。データエントリーの仕事だったにも関わらず、入社時に名刺を手渡され驚愕したこともありました。「なんて素敵な会社なのだろう・・・・(キラキラ)」という感じでしょうか。
その後、何度も転職を繰り返し、そのたびに名刺をもらったり、もらわなかったり。
憧れの会社に入った時は、自分の名前が会社のロゴの入った名刺の中に存在するだけで胸を熱くしたこともありました。
転職を繰り返しても、今までもらった自分の名刺は数枚大切に保管していたけれど、あれはどこにってしまったのだろう・・・。前職の名刺さえ、もう1枚も残っていないかもしれません。
そして昨日、新しい名刺を受け取ったものの20年前に感じた名刺への熱い情熱はどこへやら。
そして、感じたのは、「もう、名刺に頼ることなどなくなった。」ということでしょうか。
確かに、仕事上初対面の方とのご挨拶の際には必要になる名刺ですが、名刺を持つことへの憧れ、名刺に抱いていた価値からもとっくに卒業していたのかもしれません。
これからは「個」の時代と言われています。会社の名前や肩書も悪いものではありませんが、そこに属していながらもさらっと風の様に、個人である自分自身を尊重しながら過ごしていければそれで良いや~~と、軽く思ったりしています。
新しい名刺は、友達が前にくれた美しいティファニーの名刺入れに収めましたが、一番最初に買った無印良品のステンレス製の名刺入れも、なんだか懐かしく思い出されます。