10年ひと昔。意外と長い。心配するな。
10年前の今日、私は台湾旅行に出発していた。その日の朝の空港に降り注ぐ眩しい朝日を覚えている。窓を見ながらその3年前の地震の事を思い出していた事も覚えている。あぁ、10年後の今日も台湾旅行へ行けば良かった。。。そしたらまた、こんな10年間を過ごせるだろうか?
10年前の私は大分病んでいた。長期入院後にどうにか派遣の職に就いたけれどそれも3ヶ月で辞めてしまった。少し体力が付いた頃、旅がしたくなって近くの台湾に実験的に行ってみたのだ。2泊の短い旅だったけれど、海外旅行に行けた!という体験が私に勇気をくれたように思う。
台湾から帰国してから一気に状況が良くなった。好きな仕事に就けたり、年に一度海外旅行に行けるだけ元気になった。そんな仕事を辞めたり、また別の仕事に就いたり。コロナ禍でも東京オリンピックにボランティアとして参加したり。
もうダメだと絶望したり、怒りで眠れない夜を過ごしたり。入退院を繰り返したかと思えば、元気になって薬が減ったり。
大きな拒絶の後には、壮大な受容が待っていたりもする。泣いて、笑って、また泣いて。そして歌ってみたり。色々思い出されるが、10年前の私に教えてあげたい。
「あなた、体と心の心配ばかりして台湾でもあまり笑顔になれないでいるけど、10年後、元気に千葉の外房でパートナーと暮らすという日々が待ってるわよ。心配すんなーーーーー」と。
ここで10年間の細かい日々を書くことはしないけれど、10年はあっという間のようで、全くあっという間ではない。意外と長く、語り始めればとめど無い。
不安を胸に抱えて過ごした時間がとても長かったけれど、これからの10年はもう少し気を楽に暮らせたらと思う。10年後の私が今日の私にまた、「心配すんなー。」と言ってくれますように。
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