自己紹介
はじめまして。
芝原美紀と申します。
イタリアのフィレンツェに住んで21年。ソプラノ歌手として演奏活動をしています。
2011年から今まで70回以上の蝶々夫人に主演し、コンサートの舞台にも数多く立ちました。
演奏するたびに、聴いてくださるお客様との感動のやりとりが楽しくて、楽しくて仕方がありません。
以前は私は日本人だからイタリアののオペラ界で歌手として仕事なんてできるはずがないと思い込んでいました。
でも違いました。ただ単に一定のレベルに達していなかっただけだったのです。
すでに実力があると思っていても、さらなる努力が必要だということを身を以て学び、勉強を続けた結果、良いお仕事の話が舞い込むようになりました。
私は高校時代、ずっと自転車で通学をしていました。
家を出てから学校に着くまでの間、「サウンドオブミュージック」の楽曲を全て歌いながら田んぼの中を季節の変化を感じながら走るのはとても爽快でした。
短期大学に入学してミュージカルに参加をして舞台音楽の奥深さと楽しさに目覚めました。
そして、短期大学文学部在学中最後の1年間、人生この上なく努力をしたことで小学校の頃に夢見ていた音楽大学に入学し、大学院まで進みました。
この時に勉強に励んだことで、実は自分が勉強をすることが好きだったんだということに気がついて、今も様々なことを学び続けています。
一見、身長が高く姿勢がいいこともあり、お高くとまっているように見えるかもしれませんが、実はただのマイペースな能天気なのです。
瞑想やヨガ、仏教を学んだことで、知識だけではなく、心を平和に保ちつつ、豊かに過ごすことをここ数年で身につけました。
そんな私が自分をしっかり見つめて心の赴くままに様々な学びを重ねている間に、
「美紀といるとホッとするなぁ」
「あなたといるととてもリラックスできるの」と言ってくれる人が後を絶たなくなってきました。
私の人生の転機はいくつかあります。
1988年短期大学で国文科に在学中、ミュージカルに出演して、自分の進む道はこれだ!と思い込み、本格的に声楽を習い始めました。
小中高と通ったクラシックバレエと声楽そして中高と演劇部に所属していた私ですから、ミュージカルはまさに理想的。ただ、本格的に声楽を学んで音楽大学に入り、傾倒したのがオペラでした。のめり込んで大学院まで進みました。流石に8年間も大学に行かせてもらったからには、仕事につかなければ親も納得行きません。
普通、音大にいくのはいいとこのお嬢様なんですが、我が家は一般家庭。院に行きたいと行った時、弟が「僕は勉強好きじゃないから大学行かないで就職するよ。その分で姉ちゃんを院に行かせてあげて」と天使発言!
一生頭が上がりません。
大学、大学院と奨学金も貰っていましたが、ミュージカルのバイトで大学時代の奨学金は返済完了!
その後二年間大阪府/市の音楽教員として勤め、第二の転機に備えました。
第二の転機は1998年。
イタリアへ留学。いっちょまえに歌えると思い込んでいた私は、あまりのレベルの違いにショックを受けます。
結局歌は趣味で続けることにして、仕事を見つけてイタリア人と結婚。
趣味とはいえオペラの合唱やちょい役を歌わせて貰って、楽しく歌っていました。そんなある日、ふとテレビの字幕に
「得意なことがある?好きなことがある?この番号に電話してみて!」
と素人参加番組の募集テロップが。
手元にあったペンを取り番号を書き留め、翌日電話していました。数週間後オーディションの手紙が届き、あれよあれよと言う間に出演が決まりました。そしてなんと優勝してしまいました!視聴者の電話投票でも一位になり特別視聴者賞もゲット!みんなに「本気で勉強してプロになるべきだ!才能があるのだから。応援するよ!」と言われました。イタリアのテレビ番組に出演した後、日本のグッと!地球便にも取り上げて頂いて、なぜイタリアにきたのか、自分は何をしたかったのか、改めて掘り下げる機会を与えて貰いました。
そして第三の転機。
元夫の家を出て一人になって、少し落ち着いた頃、本気で歌を一から勉強しなおしました。
それが2009年。それからしばらくして、蝶々夫人のオーディションをきっかけに、プッチーニフェスティバルの総裁モレッティ氏の計らいでフェスティバルのアカデミーで無料レッスンを受け、フィレンツェ市内で発声の先生、コレペティの先生を見つけ、数カ月後にはリサイタルの仕事が舞い込みました。蝶々夫人に主演の話を貰ったり、トスカに主演したり。蝶々夫人ではスイスまで歌いに行ったりもしました。
ほぼ10年単位で転機が訪れています。
今年はさらに10年経った2019年。
2月に販売の仕事にピリオドを打ちました。
元夫との離婚も正式に私立しました。
まるで神のお告げのように、弥勒菩薩の名前が多方面から降り注ぎ、今までの経験が全て一本の糸で繋がっていたことに気づきました。
これからは歌うことを通して、愛と感動を伝承していくことをライフワークにしていきたいと思っています。
フィレンツェ、そして世界のどこかであなたにお目にかかれるのを楽しみにしています。