グランピングの市場規模と今後の動向予測
はじめに
世界的なアウトドアブームに牽引されるかたちで年々成長しているグランピング市場。
はたして一過性のブームで終わるのか、はたまたアウトドアの新しい楽しみ方として人々の余暇の過ごし方として定着していくのか。
今回はその現在の市場規模や今後の市場予測についてご紹介します。
なお、本記事は株式会社グローバルインフォメーションが発表した市場調査レポート「グランピングの市場動向・市場シェア・市場規模の予測 (2021-2028年):宿泊施設 (キャビン&ポッド・テント・パオ・ツリーハウス)・年齢層 (18-32歳・33-50歳)・地域別」のデータを元に作成しています。
グランピングの市場規模と成長予測まずはじめに、
グランピング市場は、2020年に18億8,000万米ドルとなり、2021年から2028年にかけて年平均成長率14.1%で拡大すると予測されています。
昨今のコロナ禍の影響によりキャンプが世界的な流行になっていることは周知の事実ですが、長期的な休暇ならいざしらず、短いステイケーション(個人や家族が休暇を自宅や近場で過ごす行為、概念またその期間)では、人々はあまり遠くへ外出することはできません。
また、キャンプは道具の準備やコスト、長距離の移動など愛好家以外にとってハードルが高い部分がありますが、グランピングであれば比較的近距離の移動で済むうえにキャンプのように道具を用意するコストや手間もあまりかかりません。
米国とカナダで約500箇所のキャンプ場を運営する世界最大のキャンプ場運営会社であるKampgrounds of America, Inc.が2019年に発表したレポートによると、生活者の67%が「グランピングがユニークなアウトドア体験を提供する」行為であることに同意し、63%が「グランピング体験に通常のキャンプでは利用できないようなサービスやアメニティが付いていること」を望み、56%が「ユニークな宿泊施設に滞在したてみたい」と答えています。これらの要因は、市場成長の大きな要因として捉えることができます。
グランピングは、屋外や自然に囲まれた余暇過ごしたいが、手間や道具を揃えるコストなどがかかる、いわゆるオーソドックスなキャンプをしたくない生活者にとって、特に魅力的なものであるといえます。キャンプをしない旅行者は、グランピングによって、「快適にアウトドアを体験でき」(83%)、「従来のキャンプにはないサービスや設備を利用でき」(63%)、「従来のキャンプにつきものの「仕事」を軽減できる」(27%)と答えています。
また、グランピングは、屋外や自然に囲まれた環境で余暇をすごすことによるストレス解消と、ホテルやリゾートのような快適さを求める非キャンパーのニーズの双方に応えているようで、すでにグランピング体験者の81%が、再度体験する可能性に前向きです。さらに、北米の全レジャー旅行者のうち、2019年にグランピングを行った人は30%にも上るといわれています。
キーワードは「手軽さ」「快適さ」「開放感」、そして「特別感」。
これらの要因が、予測期間中の市場成長を支えると考えられます。
アフターコロナのグランピング市場
では、コロナ収束後のグランピング市場はどのようなものになっていくと考えられるのでしょうか?
2020年の調査ではグランピング体験に興味を持ったキャンパーは38%、キャンパー予備軍は28%でした。しかし、X世代(45%)とミレニアル世代(42%)のキャンパーは、グランピング体験に最も興味を持っています。
若い世代にとっては「キャンプはキャンプの楽しみ方」「グランピングはグランピングの楽しみ方」と、
二者択一ではない、それぞれの良さを感じ興味を持っているのではないでしょうか。
さいごに
グランピングの市場規模と今後の動向予測に関する本記事、いかがでしたか。非キャンパーにおいては「手軽さ」「快適さ」「開放感」「特別感」、そして若い世代のキャンパーにおいては「キャンプとはまた別のアウトドアの過ごし方」としてそれぞれ高い支持を得ているグランピング。
今後世界的にも成長していくであろう新しい市場として注目していきたいですね。
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