春の訪れを告げる3つの花
スプリング・エフィメラル(春の儚いもの)と呼ばれる花があります。
今回は、私が出会った、スプリング・エフィメラルの3つの花を見ていただきます。
まず最初はカタクリです。
スプリング・エフィメラルの代表的な花です。
先日見た水芭蕉の近くに咲いていました。
一年のうち葉を開いているのが2ヶ月だけなので、作れるデンプンの量が限られていて、開花するまで7〜8年かかるそうです。
まだ、朝早かったため、開ききっていない花が多かったです。
でも、昨年見た植物園のカタクリより、自然に生えている感じに近いように思えました。
2つ目はショウジョウバカマです
ショウジョウバカマも、カタクリの花の近くに咲いていました。
この花も、スプリング・エフィメラルの1つです。
ジャパニーズ・ヒヤシンスという英名でもわかるように、日本の山に古くから自生していて、川や池など、湿ったところに生えているのですが、堀取られてしまうようで、最近は、あまり見かけませんでした。
ショウジョウというのは、中国に伝わるの想像上のいきものです。
顔が赤いサルのような姿と言われています。
アニメ 「もののけ姫」に出てきましたね。
いくつもの花が集まって咲いています。
薄い青紫色や、濃いピンク、白などの花もあります。
つぼみです。
花言葉は、希望 です。
3つ目は、ムラサキケマンという花です。
帰りがけに、道の端に咲きかけていました。
この花も、スプリング・エフィメラルの1つです。
ケマン(華鬘)というのは、仏教の祭壇を飾る荘厳具なのですが、(昨年もキケマンの記事で言いましたが)ムラサキケマンの花も、ケマン(華鬘)に似ていません。
この花の名前の出どころは謎です。
直射日光が苦手で、直接日が当たらない木陰に生えています。
花の後は、地上部が枯れてしまい球根が残ります。
スプリング・エフィメラルの植物は、落葉樹の根元に生えているため、
落葉樹の葉が繁りだすと、日が葉っぱにあたらなくなります。
これらの花は、落葉樹が葉を繁らす前の短い期間に、花を咲かせ、次の年の準備をしてしまうのです。
そのほうが多くの虫が現れ、葉を食べられてしまう心配もなく都合がいいのでしょう。
春を早足で、駆け抜けていく姿が、短い夏にすべてを終える高山植物に、ちょっと似ているなぁと、思いました。