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椎名持仏堂

お遍路さんの途中でどうしてもお会いしたい仏様がいたので、寄り道をしました。

土砂降りの雨の中歩いて行くと、仏様が待っていて下さいました。

十一面観音立像 平安時代中期から後期

お世話をして下さる方にいろいろお話をお聞きしました。

隣にあるお宮さんの本殿に祀られていたので、傷みが少なかったようだが、明治の神仏分離で、雨風の吹き込む小さなお堂の中に移された。

裾の衣紋

ある時、高知大学の偉い先生が来てこの仏さんの本当の価値を調べてくれ、県の文化財の指定を受けることになった。
それからは、新しいお堂を作り、警報器をつけたりした。

東京の仏像展に出展したこともあります。

と仰られていました。

お腹のあたりの衣紋

世話役の方の仏様を見る、自分の子供さん、いやお孫さんを見るような優しい眼差しが、仏様とそっくりでした。


『四国の仏像』淡交社より