桜に先駆けて咲く木の花
ついに、桜が咲き出しました。
街の中では、桜の他にもユキヤナギや、レンギョウ、ボケハクモクレン等の、木に咲く花が一気に咲き出しました。
なんだか落ち着きません。
長いこと待ってたその日がすぐそこまでやって来たのに。
ところで、この季節、植物園に行くと、街で見られる木の他にも、満開の花が咲いている木がありました。
桜の季節に、先立って咲く花たちです。
キマンサク
このモシャモシャした花は、キマンサクという名前です。
漢字では、黄満作です。
花の少ない早春に、他の花に先駆けて咲くので、「まず咲く」東北の方言で「まんずさく」から来ている名前のようです。
イカシュウマイに似ている気がします。
ベニバナトキマンサク
キマンサクの仲間で、ベニバナトキワマンサクと言います。
赤いから、カニシュウマイ?
サンシュユ
この花は、街中でも、たまに見かけます。
漢字では、山茱萸と書きますが、春黄金花(はるこがねばな)という別名があります。
春一番に黄金色の花を咲かせることからつきました。
コブシ
どうしても、この花を見ると、瞬間的に千昌夫さんの、「北国の春」が浮かぶのを止められません。
「白樺〜 青空 南〜風」♫
東北に住んでいたとき、早春の枝ばかりの木が生える山肌のあちこちに、コブシの白い花がポツリポツリと咲いていて、それが遠目にも鮮やかで、春が来たなぁと、思った記憶があります。
歌詞の通りの風景でした。
ハクモクレンに似てますが、少し小ぶりで、花は、全開します。
コブシの名前の由来は、コブシの実が、人の拳に似ているからだそうです。
シデコブシ
コブシの近くには、シデコブシが咲いていました。
珍しい花で、岐阜県、三重県、愛知県でのみ自生しています。準絶滅危惧種で、天然記念物に指定されています。す。
咲いているのは、10日程だそうです。
シデコブシの シデは、神社のしめ縄についている、稲妻形の白いヒラヒラした紙のことです。
少しピンク色なのが、おわかりいただけますか?
タムシバ
更に、少し離れたところには、コブシの仲間のタムシバが咲いていました。
漢字では、田虫葉と書きます。
葉っぱに白い斑点があって、それが皮膚病のタムシに似ていることからついた名前のようです。
でも、ちょっとなぁー。
こんなにきれいなのになぁ。
もう少しなんとかならないなかなぁ。
あんまりな名前だなぁ。
白い花が青空に映えていました。
ニオイコブシの別名があるようで、近づくとうっすらいい匂いがしました。
ハシバミ
植物園の受付で、この花の場所を聞いたんですが、探すのに苦労しました。
あまりにも地味なんで…
これが雄花です。確かに、触ると花粉がいっぱい。
雌花はどこに?
シラカバなどの仲間です。
花粉症の方は、気をつけましょう。
ハ、ハ、ハ、ハクション❕
ヒュウガミズキ
ロウバイに似ているけど、ロウバイの季節は終わったはず。
説明板には、ヒュウガミズキと書いてありました。
やはり、3月初めから、桜の花に先駆けて咲く花のようです。
調べてみたら、漢字では、日向水木ですが、原産地は、近畿と北陸なので、日向(宮崎県)には咲いていないのだそうです。
名前の由来は、トサミズキという花の小さなもの、という意味で、牧野富太郎博士がつけた「ヒメミズキ」から来ているそうです。
初めて見ました。
写真を撮った日は、薄曇りでしたが、この花の周りは明るく感じました。
おまけ
(虫が出ますので、苦手な方は、お気をつけください)
花の写真を撮っていたら、スマホにアブが飛んできました。
写真が撮れないので、木にとまってもらいました。
春先のこの季節だけ現れる、モフモフの毛に包まれたビロードツリアブでした。
ハチドリのように翅を高速で動かしてホバリング(空中停止)するので、まるで糸か何かで吊られてるように見えることから、吊り虻(あぶ)と、呼ばれます。
私にとって、50年以上前に読んで、虫好きになるきっかけとなった北杜夫の『どくとるマンボウ昆虫記』に出てくる忘れられない虫です。
長い針のようなものは、人を刺すのではなく、蜜を吸うためのものです。
しばらく木にとまっていましたが、翅を動かだして、ホバリングをしてから、何処かへ翔んでいきました。
九州から、北海道まで、都市部でも住んでいますので、お花見の時会えるかもしれませんね。
長い記事にお付き合いいただき、ありがとうございました。