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星田寺 十一面観音菩薩立像

 十一面観音さまは門を入ってすぐの、三面がガラス張りになっている明るいお堂の中にいらっしゃいます。お堂には扉がないので、お寺の門さえ開いていればいつでも拝観できます。拝観料なども特にありません。近所の方が三々五々やって来られてはお参りされています。
 雨の日や曇り空の日は、お堂のガラスに風景が映りにくいので、お姿が良く見えます。
 そして夜になると、本堂の電灯にあかりがともります。そのオレンジ色のほのかな光に照らされた十一面観音さまが、お寺の塀越しに見えます。そのお姿を見て少し温かな気持ちになりながら、観音さまに心の中で手を合わせて通り過ぎるのです。


 身体の具合が悪い時、大きな台風が近づいている時、観音さまにお願いします。心配事が無い時は自分と周りの人の幸せをいつもお祈りしています。
 
 十一面観音さまは交野市の文化財に指定されている藤原時代後期の仏様です。仏様には珍しいサクラ材でできていて、足元に大きなウロがあります。ウロがある木は仏様を作るのには不向きなので、おそらく特別神聖な木だったのだろうと言われています。


 十一面観音さまはもともと、四條畷にあった小松寺の仏様で、小松寺が江戸時代に廃寺になった時、星田寺に移されました。同様に小松寺から移されたといわれる薬師如来様はすぐ近くの光明寺の薬師堂にいらっしゃいます。交野市で一番古い仏様です。(9月12日の十二薬師の法要の時だけ拝観できます。)


ここが、観音様や、薬師如来様が元いたお寺のあった場所です。礎石が残されていました。