荷主の物流担当者のための改善基準告示解説 【拘束時間・休息時間編】
先日、政府が一定規模以上の事業者を「特定事業者」に指定して「物流統括管理者」の設定など義務付けするというニュースがありました。
今後は荷主の物流担当者さんもトラック運転者の労働時間等のルールを理解していく必要性が高まってきます。
2024年4月から適用される改善基準告示を荷主の物流担当者さんのためにシリーズで解説をしていきたいと思います。
まず第一弾は『拘束時間』についてです。
資料は国土交通省が作成した「トラック運転者の労働時間等の改善基準のポイント」を使って説明したいと思います。
拘束時間とは、労働時間と休憩時間(仮眠時間を含む。)の合計時間、すなわち、始業時刻から終業時刻までの使用者に拘束される全ての時間をいいます。
休息時間は、上記の拘束時間以外の時間のことをいいます。
拘束時間と休息時間は表裏一体となります。
拘束時間の限度
1年 3300時間
1ヶ月 284時間
1日 13時間(延長する場合15時間)
休息時間の原則
9時間を下回ってはいけない。
☆注意ポイント☆
荷主の物流担当者さんが注意をすべきポイントは、指示をした運行が9時間の休息をとることができるかどうかです。
例を挙げて考えてみましょう。
東京から大阪へ向かう運行があったとします。
東京を17時に出発して大阪に夜中の0時に到着しました。
そして翌朝8時に荷降ろしを始めました。
この運行の場合、休息時間を9時間取れていないので改善基準告示違反になることになることがあります。
ではどうすればいいのでしょうか?
2つの手段が考えられます。
1.早く出発をさせる
積み込みの時間を早めて、早く出発させる
2.到着時刻を遅らせる
着荷主様と交渉をして、到着時刻を遅らせる
上記のような対策ができれば、9時間の休息時間が確保できて改善基準告示を守ることが出来ます。拘束時間と休息時間は改善基準の中でも非常に重要なポイントですので押さえておきましょう。