仏事支援員のお仕事
私の忘れられない法要は、私が初めてお墓のご案内をして、葬儀の付添いをし、49日の法要で仏事支援をしたご家族です。
この49日のご法要で私は初めて「こころの写真」をしました。とても緊張して自分のことで精いっぱいになってしまって、始まってすぐの記憶が無いほどでした。
心の写真が始まって、少し落ち着いてお話が聞けるようになると、葬儀の際には亡くなったお母さまへ向けて「ごめんなさい」と話していた施主様が、子供のころ登校拒否になった際のお母さまとの想い出を話してくださり、最後には「ありがとう、これからは自分の家族を守ります」と前向きな言葉を仰っていました。
何もできなくて、お母さんの自慢になるような息子にもなれなくて、お母さんに反抗して距離を取ってしまって最期一人にしてしまって、姉に全部任せてしまって、とずっと後悔していた姿を葬儀の時から見ていました。仏事支援の短い時間の中でもゆっくりと故人様との想い出を、頭の中に浮かべるだけでなく映像のように鮮明に思い出し言葉にすることで気持ちが整理されていく姿を見せて頂きました。
私も以前、こころの写真ワークの研修で祖母の想い出を話したとき、悲しくないのに涙が出ました。
不思議に思いました。
でも、心が動くという経験をすることが出来たのだと思います。そして、祖母への想いも月日とともに変化していくし、それを家族と話し共有することで更に知らなかった一面や気付かなかった一面を知るきっかけとなりました。想い出が増えていくように感じ、亡くなって17年経つ祖母の存在を、今はより近く感じます。悲しみや怒り、寂しさや後悔、人が亡くなって、残された人には様々な感情が渦巻きます。
吐き出して受け入れる。「法要は、生きている私たちにこそ必要なものである」と、私は思っています。そして、そんな法要のお手伝いをするのが仏事支援員の仕事なのだと思います。