600字で綴る⑤空飛ぶクルマ
「空を自由に飛びたいな。」子ども頃歌ったこのフレーズが今や現実味を帯びてきている。▶「100年に一度のモビリティ革命を起こす。」そう語ったのは「空飛ぶ車」を開発する株式会社SkyDriveの代表取締役福澤氏。東京大学工学部卒業後、トヨタ自動車に入社。2017年に製造業の経営コンサルティング会社を設立の後、翌年の2018年当会社の起業に至った。Googleの創始者ラリーペイジも注目・投資する「空飛ぶ車」業界。SkyDrive株式会社はこの領域に「日本初」着手するスタートアップとして乗り込んだ。▶とはいえ、時間の流れは恐ろしい。100年前の1920年代といえば、第一次世界大戦の特需が生んだ好景気が衰え、日本では「戦後恐慌」、1923年には「関東大震災」、1930年代の「世界恐慌」の予兆ともいえる不吉な出来事が続いた10年であった。それから第二次世界大戦敗戦を経て、高度経済成長期。三種の神器が庶民の家庭に広がった。その後も、ガラパゴス携帯、ウォークマン、スマートフォンなど次々に革新的な商品が開発され、人々の生活は劇的に変化を遂げた。100年の年月とは恐ろしいものである。▶そして、遂に、自動車が空を飛ぶ未来が目と鼻の先にある。誰もが憧れた「空」の世界へ人類は一歩踏み出した。常識は廃れ、時代は変わる。生き方も教育も働き方も「今まで」に囚われるこの国に「空への切符」は準備されているだろうか。先が思いやられる。