600字で綴る① 日本教育は成果主義でなく「評価主義」ってはなし
「結果を出すことが全てである」とは果たして本当だろうか?私たちは自己実現のために結果を出すことは必要なことだが、"マインドセット"の観点から言うと必ずしもそうではない。スタンダードフォード大学で心理学を教えるCarol S. Dweckは、著書"マインドセット"の中で成果主義に対して疑問を呈する。本著では、「硬直マインドセット」と「しなやかマインドセット」の2タイプの人々を取り上げ、それぞれの特徴について説明しているが、そこで分かったのが、「成果主義に走ると、自分と他人とを比較しはじめ、最終的には『自分をよく見せるために』何も動けなくなってしまう」というのだ。学校のテストを思い浮かべて欲しい。あなたの親が「テストで高得点を取ること」や「他の子どもよりも良い点を取ったこと」ばかり褒めていたとすると、子どもは、テストの目的が「優越感や自己肯定感を育むこと」になり、こどもは他者からの"評価"を得るためだけに頑張るようになる。そのような"硬直マインドセット"の子ども達は、他者からの評価を恐れ、最終的に、"好きな事"からでさえも逃げるようになるという。なるほど、頷ける。「100点を取れなきゃダメ」、「A判定取らなきゃダメ」と言われ続けた子どもは「取れない自分はダメ」だと恐れ、自分自身を不必要なほど追い込んだり、逃げ出したりする。そうか、「学ぶ」とは自分の「出来ないことをできるようにすること」であり、テストや自己優越感のためのものではない。では今の日本の教育はどうだろうか。行く末を案ずる。