女性向けの謎解きイベントを作るようになった話
初めまして、Kと申します。謎を作ることを生業として日銭を稼いでいます。来る日も来る日もアワとヒエばかり食べています。さて、女性視点での謎解きイベントの考え方を書こうと思ったのですが、まずは自己紹介も兼ねて現在制作している女性向けの謎解きイベントを作り始めたきっかけをお話いたします。
キッカケは、なんか新しいことやりたい
わが社では数年前、女性向けの謎解きイベントを作るためのレーベルを立ち上げました。発端の理由は色々ありますが、何か新しいことをしようとしたわけです。
発起人は当時のディレクター全員。あまりにも昔すぎて覚えてないのですが、確かその時女性は私しかいませんでした。そんな男だらけのブレスト大会!だったにも関わらず、ターゲットを決めるときに、自然とF1層を選んだ記憶があります。当時、「この世の購買決定権の8割は女性にあり!!」と知っていたわけではなかったのですが、恐らくみんなの意識の中で「金を遣う=F1層」というゲスめの共通認識があったのだと思います。
発端時はそこまで、「わしは女性に向けた謎解きイベントが作りたいんじゃ!」と強い思いがあったわけではないですが、自分好みのイベントが作れることにワクワクしました。もっと女性向けの謎解きイベントがあってもいいのになと思っていたからです。否、もっと女性の気持ちを汲めよ、と。
とにもかくにもこの時から私は、女性向けに作る謎解きイベントはゲーム(=コンシューマーゲーム)みたいなものを作るけど、ゲームにはしたくないなあと思うようになりました。厳密には、ゲームが持つ「偏見」を与えるようなものをなるべく避けよう、としました。なぜなら謎解きイベントってゲームの延長でしょ?と思う人がそこそこいて、敬遠していたので。確かにコンテンツ的に、物語を能動的に体験する点や、負荷がかかるタスクを与える点などは似てますしね。
できるかできないかは別として、偏見を避けるために気をつけたこと
①デザイン
②難易度やシステム
③ストーリー
各項目については、それぞれ話すととっても長ーーーくなるので今回は割愛しますが、まとめればまとめるほど奥(闇)が深いことがわかってまとめきれてません。時間があるときに、自分の理解の整理のためにも徐々にまとめていきたいと思います。くっ。ちなみに、初期メンは最早私しかいませんでした。くっ。
ゲームに対する偏見とは
一応、ゲームに対する偏見とはなんぞや?という話をしておきます。先に断っておきますが、私は別にゲームが嫌いなわけではなく、実は隠れゲーマーでありゲームに対する偏見を余りよく思っていません!しかし、私の周りでゲームが好きな女子は2~3人です。生きてきた中でゲームの話をした女子という観点でも10人いるかしら…。まさか、、母数が少ないからですかね?とにかく、ゲームに対してあまりいいイメージをもってない人が多いのは事実です。
私が見てきた女性たちの間では、ゲームといえばオタクがやるもので、何が楽しいかわからないもの、やると頭が悪くなるものとされています。言い切りました。言い過ぎですって?確実なことは、ゲームする人って下等生物ですわよね?ユーグレナって言うんですわよね?と見下す女性が確実に、か、く、じ、つ、に、存在するということです。
ちょっと胸に手をあてて思い出してみてください。「私ゲームとかやったことないんだよね」とか「私ゲームなんてやらない」とか言う女性の誇らしげな顔を。「ゲーマーキモイ」と語る彼女らの蔑みの目を。男性にももちろんいますけど。彼女ら、彼らにとってゲームをやらないことがステータスなんですよ。(今この記事を書いてる表参道の某オシャレカフェでも、となりのセレブ系新妻と美人OLがゲーム何が面白いの?意味わかんないという話で盛り上がっています)でもそう言いたくなる女性の気持ちも、わかっちまうんだよなあ。だって、全然女性の気持ち考えてないんだもの。まあ、ターゲットじゃないと言われればそれまでですが。
ちなみに、ゲームに対する偏見の記事で面白いものを見つけたので貼っておきます。ここではプレイヤーに難ありというお話が書かれています。お風呂に入ってない疑惑も!
女性に向けたゲーム設計で大切なこと
さて、プレイヤーがお風呂に入らない問題はどうしようもないので置いておいて、と。では女性向けにゲームを作るにはどうしたらいいのでしょうか?謎解きイベントのことそっちのけですが、ここはクリアにしないと先に進めません!私がね!!
よく考えてください。ゲームってただの「媒体」ですよ?映画や漫画や小説とそんなに違いないはずなのに。女性にだって受け入れてもらえるはずなんです。
これは推測ですが、ゲームに興味がない女性の中には、パッケージがダサい、もしくは幼稚だから興味が湧かない食わず嫌い派と、やってみたけど理解出来ない、または難しすぎてストレス、という出鼻くじかれ派がいるんじゃないかなと思うのです!もちろん、合併症おこしてる方もいらっしゃいます。
なので、女性に買ってもらえるようにパッケージをピンクにして、美少年を並べて、ハートを散らしてリボンで巻いて…って…ばっかもーーーん!!!!女将を呼べ!!!!!!そんなことをしたらますます女性が離れてしまうわ!もちろん、見た目を意識したアプローチも大切なのは確かです。買いづらいパッケージなんてもってのほかですしね。先の気をつける項目、①デザインは、女性を語る上では切り離せない項目です。
それにプラスして、私がゲームに対して不満を持っている点は、もっと内側の問題です。不親切な設計、厨二臭がするストーリー、覚えきれない造語の数々、不愉快なキャラクター、変な語尾、男の理想が張り裂けんばかりのありえない展開、理不尽なミッションの難易度、無駄なトライアンドエラー、複雑なコマンド、複雑なメニュー画面、多すぎる武器装備、読めない地図、見つからない入り口、狭すぎる当たり判定、いつまでも登れない鉄塔、曲がりきれない車の運転。まだ言い足りない。。。これらは、②難易度やシステムと、③ストーリーが極度にストレスを与えている良い例です。
つまり、ゲームには、もっと女性を意識してるけど女性向けに見えない「透明なアプローチ」が必要だと思うのです!!透明なアプローチは、リサ・ジョンソンとアンドレア・ラーニドによって下記のように定義されています。せっかく学んだので載せます。
透明なアプローチ
メッセージ性は女性のニーズに合わせて工夫しつつ、製品・サービスにはあえて女性向けのレッテルを貼らない手法である。
(「女性に選ばれるマーケティングの法則」リサ・ジョンソン/アンドレア・ラーニド著、飯岡美紀訳、ダイヤモンド社)
男性が作る男性のためのゲームから、もうそろそろ進化してもらいたい。日々星に願っている。毎日、毎日、まーいにち!もちろん昔に比べて、大分ユーザビリティーが上がったのは実感しています。女性のゲーマーも増えてるのも。でも、同時に変な方向に複雑化してるとも。
ゲームと謎解きイベントの実際の男女比は違う
こんな風に、女性向けの謎解きイベントを!と言ってはいますが、ゲームと謎解きイベントの男女比を見てみると、謎解きイベントの女性率は遥かに高い!別に女性ケアしなくていいほどに。ゲームの実際の男女比は下記サイトによると、家庭用ゲーム機は男性72.0%、女性28.0%、そしてスマホゲームに関しては男性48.7%、女性51.3%と若干女性比率の方が高いという結果になっています。
スマホゲームで女性比率が上がったのは、敷居の低さと手軽さ(ストレス値の低さ)なのかな!と興奮しましたが、あらやだ記事にそんなよーなことも書いてありました。そして、謎解きイベント参加者の男女比は大体半々です。謎解きイベントもゲームよりは敷居が低く、手軽なイメージがあります。それにプラスして、謎解きイベントはまだオープンなイメージがあります。人と関わったり、公共の場に出なくちゃいけない分、風呂に入る必然性が上がるからですかね?
最後に
実際は、謎解きイベントの男女参加比は半々です。なので、わざわざ女性向けに頑張って作ることはしなくてもいいかもしれません。他社でも、女性向けのイベントや、女性でも参加しやすいイベントが増えてきていますしね。感謝。
でも、もっと増えてしかるべき!と私は思います。まだまだ、私の女友達を誘うには敷居が高いと感じるのです。ゲーム臭がすればするほど誘いづらいのです!!!! それに、そもそもF1と言ってもどの層のことを言ってるの?ゲーム好きな女子が謎解きイベントに参加するんだからいいんじゃないの?など色々あると思うのですが、説明してたら恐ろしく長文になってしまったので、一回締めまーす!
正直、女性向けだからこうあるべき、という解を誰かに押し付ける気はないですが、ブランディングですからね。一応、こうゆうのをコンセプトにしてます、というくらいのお話です。それにそれぞれの項目も臨機応変に妥協することもあります。
もちろん、私もまだまだ未熟ではありますし、気になっていた不満点が改善策が見えないまま世に出てしまったり、大人の事情でどうにもならなかったりすることもあります。アレとか、アレとか、アレとかね?だけど、作り続けることでより良いものができて、楽して稼げればいいなと思っています。下手でも作り続ける、というやつです。いや、むしろ作らなくてもいっぱいお金がもらえればいいな、と思っています。それでは次回は、どうやってゲーマーを風呂に入れるか?で、お会いしましょう!
PS ダイイングライトの最後がクリアできません。
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