これいいね! 08_くくり紐のほんのわずかの差
私は、100円ショップが大好きで、頻繁に出かけます。
買うものが決まってて、行く必要があるときも、
買うものが決まってなくて、行く必要がないときも、
ショッピングモールの一角に店舗があると、どうしても寄ってしまう。ついでに。
ちょっとブラっと見て回るだけで、「へぇー。こんな商品あるんだ。」と、新たな発見をさせてくれるので、
アイデアを膨らます訓練には最適な場所のひとつです。
そこで今回は、そんな100円ショップの商品も、ものによっては、「ほんのわずかな差」というものが存在しており、
その小さな差が、最終的には、ユーザーの精神的な大きな差となって現れてくることもあるよね、というお話しをしたいと思います。
これ、見てのとおり、新聞や雑誌を束ねる用途に使われることが多い、ビニル製の、いわゆるくくり紐。
もちろん、100円ショップで購入したものです。
一見、極普通のくくり紐に見えますが、これ、全然だめなんです。
何がだめって、紐の端がわからない。
こういう紐って、まずは、筒状になってる内側から引っ張りだして、都度必要なところで切って、という使い方になりますよね。
だから、買ってきて、開封して、最初にすることと言えば、筒の内側の部分から、紐の端を見つけて、それを引っ張りだすという作業。
しかし、それがどこかわからず。
「ここが端?」とおぼわしきところを引っ張ってみたけれど、そこは中間部分だった。
しかも、もう戻せず・・・
結局、やむなく、そこで切って、片側から使うことにしました。
つまり、長ーい1本が束になっているものを、途中で切って2本にして、どちらが長いのか短いのかはわからないけど、いずれか一方から使いはじめることになった、ということ。
こういうの、ほんとキライ。
そこで、これ。ちょっと細身のロープ状になったタイプのくくり紐。
紐の端に何やらついてますね。
そう。シール。
拡大してみましょう。
「ここから引き出してください。」と書いてある。
これですよ。これ。
これがあるかないかで精神状態が大きく左右されてしまう。
「ちゃんと端から使えてるよ」という気持ち良さ。
そして、途中で、「あぁ。長さが足りない。それは捨てて、またくくり直しか。」ということがない気持ち良さ。
素晴らしい。
恐らく、作り手が、完全なユーザーとなって、
「例えば買ってきたとき」とか、「新聞をくくるとき」とか、
シチュエーションを想定して、実際に使ってみて、”改良すべし”というのを洗い出してるからこそなんだろうな。
こういう、ほんのちょっとしたことで、モノの善し悪しって決まるんですよ・・・
モノづくりの最上流に居る者として、しっかりと見習わなければ。
それにしても、株式会社モリトクさん。いや、モリトク様。
おたくは素晴らしい・・・
これいいね!ネタですね。
ものすごく安価に購入してるんだから、文句言うなよ、と言われてしまいそうな気もしますが、
金額の多寡の問題ではなく、商品に対する、ちょっとした工夫ひとつで、ものすごく良いものになりますよね、というお話しです。
今回は、「これいいね!」でまとめてみましたが、前半は、完全に、「嫌なことノート」のお話しになってしまいました。
「嫌なことノート」のお話しも、本当にたくさんありますので、シリーズ化したいと思います。