会社に置いてあった絵馬に「世界平和」って書いた
わたしが働きに行くビル、何かとイベントのものを置きがち。夏には七夕の笹と短冊が置かれるしハロウィンの飾り付けも豪華、クリスマスツリーもめちゃんこでかい。
夏、七夕の短冊に「不労所得」って書いてぶら下げておいたら、翌日以降どんどん「不労所得」短冊が増殖してしまったこともありました。みんな真面目な顔して働いてるけど何だかんだ不労所得で生きていきたいんだなぁと、笹を通じて不思議な連帯感を覚えたものです。
誰か知らんけど同じビルで働いてる人たちの願いごとに共感したり、「ウケる~」って言いながら他の人が書いたものを見たり、なんだかんだで愛されてるイベントのものたち。こういうゆるい「お楽しみ」、けっこう好きなんですよね。
仕事始めの憂鬱な朝、そんなビルの玄関に絵馬の奉納スタンドが置かれ、割と立派な(普通に神社にあるような木製の)絵馬と、カキカキするための台・マジックまでがご丁寧に用意されているのを見つけました。
こういうお願いごと系は大喜利にするか本気の願いを書くか迷いどころですが、今回わたしは「世界平和」と書くことにしました。これ、それなりに本気の願いごとです(理由は後述)。
他の絵馬は「息子が○○高校に合格しますように」とか「家族みんなが健康で過ごせますように」とか「営業と喧嘩せずに過ごしたい」とか「客が黙りますように」といった類のもので、その中に「世界平和」をぶら下げてみると、そこはかとなく大喜利感が漂います。
そこそこ上手に文字も書けて満足したわたしは、その後月初の荒波に飲まれて絵馬のことなんかすーーーっかり忘れていました。帰り際にエレベーターホールで課のオツボネ様たちと鉢合わせてしまい「絵馬書いた?」という話に巻き込まれるまでは・・・
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オツボネ1「玄関に絵馬登場してたよね!焼豚さん書いた?」
焼豚「もちろん!書きました!」
オツボネ2「えー!何書いたのー?」
焼豚「うーん、趣味が充実しますように的な…(ゴニョゴニョ」
オツボネ1「あ、そういえば世界平和って書かれた絵馬あったよね」
焼豚「あっそれ」
オツボネ2「(食い気味に)見ましたそれ!!このご時世だとホントにそうだな〜って、ワタシ納得しちゃった」
オツボネ2「ホントね、トランプは宣戦布告しちゃうしね」
オツボネ1「ほーんと、世界平和っていうのが現実味を帯びた願いになりつつあるというか」
焼豚(なんも言えねえ)
オツボネ2「なかなかタイムリーな願いごとですよね」
オツボネ1「ね。せめて孫の代までくらいは平和でいてもらわなきゃねえ」
オツボネ1,2「「ね〜」」
焼豚(沈黙)
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うわあ!なんだか壮大な感じに解釈されている!?どうしよう!孫とか出てきてるし!!時空の広がりがすごい!孫!?誰!?
その後もオツボネーズはアメリカだとかトランプだとか中東だとかの話をして妙に盛り上がっています。
いやいやいや、わたしはただ、これからも末永く楽しく戦闘機を撮影していたいから世界平和って書いただけなのに・・・
だってまだ米軍の飛行機が飛んでるところ全然撮ってないし、他の国の飛行機も撮りたいし、あわよくばイランのトムキャットも撮りたいし!!そのためには戦闘機にレンズを向けても怒られないレベルの平和が世界的に欲しい!!そんなこと具に書いたら絵馬が文字だらけになるしクソキモヲタだからまるっとまるめて「世界平和」って書いた、ただそれだけなのに!!!
こんな私欲にまみれたわたしの願いごとが、孫の代まで青い空を残したい的な"良い話"になってしまって申し訳なさすぎる。明らかに混乱を招いている。この状況じゃ「あ、それ書いたのわたしです」なんて言えないし。
は~~~~申し訳ねえ~〜〜〜〜〜
と思ったけど、まあ世界は平和なほうがいいですよね。
わたし飛行機が好きすぎて、飛行機が破壊されたり墜落したり空港が爆撃されたりするニュースを見ると飛行機の気持ちに共感してしまってつらいんですよね。飛行機事故のwikiですら正常な気持ちで読めない。だから飛行機が破壊されたり撃ち落とされたり撃ち落としたり、そんなの無理なんですよ。
戦闘機であっても平和な空でビュンビュン飛んでほしい。兵装はカッコいいけど別に実用してくれなくてよくて、飛行機同士で殴り合わないでほしい。いつまでも訓練とか展示飛行に使われるためだけの戦闘機であってほしい。ついでにオツボネの孫の代まで平和が続いてくれ。
しかもこの絵馬、ただ晒しものにされるためのイベントグッズではなく、ちゃんと神社に奉納されるんですって。今年初詣行けていないので、この絵馬こそがわたしの願いごとなんですよ。この絵馬に賭けてると言ってもいい。わたしの私欲とみんなの熱い思いを乗せた絵馬だから、神様よろしくお願いします。
おわり