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変わりゆく消費者体験(広がるDIY領域とともに)

今週はおそらく日本で最初に迎える新型コロナの峠になります。一層の自粛を求められていますが、かといって今週過ぎれば終わるという問題ではありません。抜本的な対策が生まれるか、根本的に我々の価値観が変わらない限り、自粛という苦難は続くことになります。
自粛と言えども何も楽しいことをしてはいけないというわけではありません。楽しめる範囲で大いに楽しみたい…各家庭でも自粛が長引く中で趣味趣向や嗜好を変化させている最中だと思います。

定額有料コンテンツ

平日の夜も週末も家で過ごすことが多くなり、エンターテイメントも映像メディア(映画・ドラマ・その他テレビ番組・ゲームなど)に集中しています。
しかし民放では同じようなニュースばかりで、新しいバラエティの撮影も日に日に三密を避けるために厳しい中、民放ではなく多少の有料コンテンツで好きな映画をいくらでも楽しむ家庭も増えてきたのだと思います。その結果AmazonやNetflixなどの利用者が今後も増えることが見込まれ、株価も最高値を更新しました。
Netflix の時価総額が新型コロナウイルスの影響により Disney を上回る
https://hypebeast.com/jp/2020/4/netflix-disney-stock-share-price-global-quarantine-streaming

株価は投資家の期待値でもあり、少し先の未来を指しているケースもあると思います。ディズニーはどんどん値上げしていった中でこの休業に入ってしまったので、果たしてコロナ騒動が終息した後にまた客足が戻るのだろうか疑問に感じる部分があります。

外食は避けて、宅食を豪華に

外食ができず宅食が増え、さらに飲み会までリモート開催。いつも贅沢していた分を別の形…お取り寄せやハイグレードな調理器具(低温調理機やノンフライヤー、エスプレッソマシンなど)に転換することも皆さんやられているようです。 

たいそうなモノを買わなくても、例えばホットケーキを自分たちで焼き、ハッシュポテトとオレンジジュースをつけて、100均で買ったおもちゃを選ばせる。どの家庭でもできるお手軽自宅朝マックです。

手間隙を惜しまない

これは「マックに行く」という消費者体験が機能しなくなったために、(多少の面倒くらいかまわず)自分たちでやるスタイル…つまりDIYの領域がより広くなっているということです。

コロナ騒動が長期化し、自粛を余儀なくされている世帯において、安いだけが取り柄だった低付加価値サービスを買い揃える消費スタイルは一旦休憩に入っています。時間的なゆとりは生まれたので自分たちでやれることはやる、手間隙を惜しまない。
やりたいことが見つかればネットで簡単にやり方を見つけることができます(スタバ風キャラメルマキアートの作り方を配信している人もいます)。

変わりゆく消費者体験

逆に自分ではできないモノ、簡単には入手できないモノについては、新しい高付加価値として生き残るのではないかと思います。
鉄腕DASHで初競のマグロが納品された高級鮨店は、正月からお得意さんのご自宅に出張寿司(出前ではなく、ご自宅で握る)に行くと言って、リーダーが初物マグロにありつけなかったというエピソードがありました。こういうビジネスモデルであればやっていけるような気がします。

出張xxx系はもっと増えていくのだと思いますが、成功のためには「ビジネスモデルの確立」と「どうやって実績を積み上げるのか」が課題でしょう。出張ヘアカット(ファミリータイプ)なんてのも嬉しいサービスですが、1日どのくらいの売り上げら想定なのか、初対面の顧客をどう獲得していくか…信頼できない人を自宅にお招きすることはないですから。

そうしてこうした消費者体験の変化が不可逆的なものではないかと感じています。以前価値があると感じていたモノのいくつかは、アフターコロナでは価値を感じなくなるでしょう。

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