高気密高断熱住宅のデメリット
高気密高断熱化は住宅の性能を考える上で基本となるものです。
省エネや快適性だけでなく結露や健康などにも影響します。
そのため、高気密高断熱住宅をお勧めしていますが、メリットだけでなくデメリットもあることを理解しておきましょう。
コスト
断熱材を厚くしたり、より高性能な断熱材に変更すればその分コストはかかります。
また、窓やドアも断熱性能が高いものは高価です。
高気密化も通常の住宅よりも手間がかかりますし、高気密用の部材を使用すればその分のコストもかかります。
省エネになると暖冷房費が少なく済みますのでコストを回収できますが、年間に削減できる暖冷房費はそれほど多くはありませんので、回収に年数がかかるのが難点です。
(性能差や地域の気温などによって異なります)
夏の省エネ
高気密高断熱住宅のメリットは省エネですが、単に断熱性能を高めるだけでは夏は冷房費がかかることになります。
高気密高断熱住宅は断熱性能が高い分、住宅内の熱が外に逃げづらくなっています。
そうしますと、夏に窓から日射が入って室温が上がると、この熱はなかなか外に逃げていきません。
そのため、温暖な地域の高気密高断熱住宅では日射を遮る工夫が必要です。
南側の窓に庇などの日除けを設置する、西側の窓に日射遮蔽型Low-Eにする、西側窓に外付けブラインドを設置するなどの方法があります。
古典的ではありますが、すだれやよしずは日射遮蔽としては優秀です。
大きな窓の近くに広葉樹を植えるという方法もあります。
また、アサガオなどのツル性の植物による緑のカーテンも効果があります。
なお、レースカーテンや内ブラインドなど、室内で日射遮蔽する方法は、レースカーテンなどに当たった日射は室内で熱に変わるのであまり効率的ではありません。
気密測定
高気密住宅はちょっとした隙間でもせっかくの施工が無駄になってしまいます。
正しく気密化されているかは目視で確認することはできません。
そのため、高気密住宅を建てた場合は気密測定して施工をチェックします。
気密測定するためには気密測定器が必要ですが、そのためには気密測定器を購入するか、気密測定業者に依頼するかということになります。
換気
現在の住宅は換気システムが付いていますので、高気密だからといって換気不足になることはありません。
ただし、停電などで換気システムが止まった場合は換気に注意してください。
第3種換気であれば、換気システムが止まってもある程度給気口から換気が行われる可能性がありますが、換気量は不足します。
停電などの場合は定期的に窓を開けるなどの対策が必要です。
窓やドアのパッキン
デメリットとは異なりますが、以外と見落としがちなので窓・ドアのパッキンのメンテナンスです。
窓やドアには気密性能高めるためにパッキンが入っているものがあります。
パッキンは時間とともに劣化するため、10年以上経ったものは気密性が損なわれている可能性があります。
そのため、劣化状況がひどい場合は交換が必要です。