なぜ住宅に換気システムが必要か

住宅内の空気はいろいろな原因で汚れます。

住宅内の空気をきれいにするためには換気が必要です。
昔は住宅がすき間だらけで自由に空気が出入りしていたため、特に換気を意識する必要はありませんでした。
ここ数十年で住宅に使われる部材が変わり、窓の気密性能も高くなりました。
そのためすき間からの換気では不十分になり、住宅に換気口を設けるようになりました。
ただ、穴があいているだけの換気口による換気は風や内外温度差の影響を大きく受けるため、換気量が不安定で、換気量が過剰になったり不足したりします。
換気が不足しますと空気が汚れますし、換気が過剰になると暖房期は住宅内の暖かい空気が逃げたり、冷房期は外の暑い湿った空気が入ってきたりして省エネへの影響も大きくなります。

日本ではこのような状態が長年続いていましたが、これと平行して高気密住宅が30年くらい前から徐々に普及してきました。
高気密住宅は換気システムが設置されるのが普通です。
(高気密住宅では換気システムが義務化されるかなり前から換気システムが設置されてきました)
これはすき間が少ないから仕方なく換気システムを付けたのではなく、高気密住宅の目的の一つが換気量を安定させるためだったからです。

当時はわざわざすき間を小さくして換気システムを付けるのは無駄と言われていましたが、実際にはすき間の多い住宅では換気量が安定しないので、換気量を安定するためには高気密化して換気システムの設置が不可欠でした。

換気システムがついていない住宅では、換気量を調整するために人が換気口や窓を開けたり閉めたりしなければなりません。
ただ、自然換気では状況によって換気量が変わるため、常に手動で換気量を調整するというのは現実的ではありません。
そこで換気システムが必要になります。
換気システムは、24時間最低限必要な換気を行い続けます。
特に高気密住宅では風や内外温度差の影響を受けづらくなるため、換気システムによる換気量は安定します。

機械換気は電気代がかかるからと嫌がる方もいらっしゃいますが、最近の換気システムにかかる電気代は月に数百円ですので、それほど電気代がかかるわけではありません。
換気をすることで空気がきれいな状態に保たれるため、有害物質が少なくなり健康になる利点を考慮すると、月数百円の電気代は高くないと思います。

住宅に換気システムが設置されているのに、電気代がもったいないからとわざわざ換気システムを止める方がいらっしゃいますが、それは月数百円をけちることで不健康な生活をおくることになるということを知ってほしいと思います。

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