暖房器の最大設備容量を計算する
暖房の最大設備容量とは、暖房器の最大出力のことです。
最大設備容量が不足していると暖房器の出力を最大にしても室温をキープすることができません。
そのため、暖房器を選択する場合は、その地域や住宅性能に合ったものを選択しなければなりません。
暖房器を選択する場合、メーカーのカタログなどでは部屋の広さを基準にして選択するのが一般的です。
ただ、気象や住宅の断熱性能によって必要な出力は変わりますので、本来は部屋の広さだけでは判断できません。
最大設備容量を計算して、その地域や住宅性能にあった暖房器を選択するべきです。
最大設備容量の計算式
暖房の最大設備容量は計算することができます。
最も簡単な計算式は以下の通りです。
最大設備容量 = 総熱損失 × ( 室温 ー 外気温 ) ー 室内発生熱
総熱損失は住宅から逃げる熱損失量の合計で、熱損失係数(Q値) × 床面積 で計算します。
(または、外皮平均熱貫流率(UA値) × 外皮面積 + 換気による熱損失)
室温は暖房器の設定温度、外気温は最低気温になります。
室内発生熱は、最大設備容量を計算するときは安全側で計算しますのでゼロでかまいません。
たとえば、熱損失係数2.4、床面積120m2、室温(住宅全体の平均室温)18度、外気温度5度だとしますと以下の計算式になります
最大設備容量 = 2.4 × 120 × (18 - 5) = 3744 W = 3.7kW
つまり住宅全体を温める場合は、暖房器の最大設備容量が3.7kWであれば、外気温度が5度になっても平均室温18度をキープできるということになります。
室温と外気温
最大設備容量を計算するときは、室温と外気温をどのように設定するかを考える必要があります。
室温はリビングが20度、廊下が16度など場所によって温度が異なりますので、住宅全体の平均室温で考えるのが一般的です。
また、外気温は平均的な年の最低気温を用いるのか、10年に一度の最低気温を用いるのかなど、どの外気温を使って計算するかによって計算結果は変わってきます。
そのため、どの程度安全側で考えるかによって外気温度は決まります。
最大設備容量が過大になると効率が悪くなるので、平年の最低気温を基準に考えるのが一般的です。
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