キミがどんなクソ男でも私は感謝してる
ここ数か月、数分単位で気分が落ち込んだり、元通りになったりするような日々が続いている。死にたいなと思って号泣して、数分後にはハワイに留学したいなとか考えている。本当に心が不健康なんだと思う。
いまだに、マッチングアプリの女と付き合い始めた好きな男のことを考えている。昨日は2時間おきくらいに連絡を入れてきて、しまいには心配だからと言って電話までしてきた男は、今日は全然連絡してこなかった。自分が暇なときだけ心配して、それ以外の時間は私に無関心なんだろうな。
「きみが好きそうなガチャを見つけたよ。」ときみが言うから、どこにあるのかと聞いたら「神さまは、きみがあのガチャにどれほどお金をつぎ込むか分かっているから、僕が代わりにとってきてあげるよ。」と言った。きみは私の一番の理解者だね。うんこしている動物が好きなこととか、ベビーヨーダじゃなくてノーマルヨーダが好きなこととか、こんなキモイ趣味ばかりなのに、「これかわいいね」って言うと、きみは「いかにもきみが好きそうだね。」と言ってくれた。
そういえば、元カレと別れたときもこんな感じだったなと思った。彼も私のためにぶたのぬいぐるみをクレーンゲームでとってきては私にプレゼントしてくれた。彼もまた私の一番の理解者だった。
こうやって繰り返し、私は自分の理解者を世に生み落としては、失っていくんだな。
きみと過ごした半年間について考えていたんだ。
きみにとって私はマッチングアプリの女未満のセフレ程度だったのかもしれない。コロナで東京への外出禁止を食らっているから、仕方なく近所の私と遊んでいたのかもしれない。
そんな男との将来を私は馬鹿みたいに真剣に考えていた。なんてナイーブだったんだろう。当たり前のように本当の自分をさらけ出していた自分を殴りたい。彼と彼の同僚、ボーリング場のおばちゃん、PXのおじちゃん、全ての人の記憶から私を消したい。ついでに君と過ごしたこの半年間も全て返してほしいと思った。私は25歳の夏という貴重な時間を、私の価値を理解していない男につぎ込んでしまったんだから。
でもそこでふと思ったんだ。君に何の感情もなくて、この6か月間わたしが嘘偽りの世界で踊らされていたんだとしても、私の幸福は間違いなく本物だったと思う。君が4時半に送ってくれる”Ohayoooo”が私の1日の原動力だったし、君が同じ町に住んでいるというだけで世界が鮮やかに見えた。夢から目覚めて、私のこの幸せが夢じゃなくてよかったと、信じてもいない神さまに何度も感謝した。
この半年間という時間をきみに返してもらったとして、私は人生最大の幸せを教えてくれた君に何を返してあげられるんだろう。何もないだろうな。
とりあえず、ハワイに留学してーな。