物書庵初心週記帖(8号)「ウイルスの影に隠れているのは…何?」

段々と春らしい陽気となってきており、薄手のコートを着る機会が増えてきている。

連れ合いが年明けに庭に植えたプリムラジュリアンの花びらが、2月の中頃に「何者」かにことごとく食べ尽くされていた。ウサギ?たぬき?などと数日警戒していると…ある朝、庭の様子を伺う影が…犯人はヒヨドリ君でした。

ヒヨドリの習性を調べたところ、主食にしている木の実が減る冬、花を食べて飢えと寒さを凌ぎながら春の訪れを待っているようだ。厳しい自然界で生き延抜くための知恵、なんともたくましい!と感じたものだが、「大事に育ててた花びらを食べ尽くされて憎らしい!」とご立腹の連れ合いには口が裂けても言えないが…。

水際対策に失敗し、世界からの視線が日に日に厳しさを増している我がクニのコロナウイルス対策。各地方の大都市圏で感染が始まっているので、もはや特効薬が開発されるまでは収束する事はないのではと睨んでいる。基礎疾患を持つ高齢者や妊婦さんなど、重篤化する恐れのある人にとっては非常に怖い状況となっており、近い立場におかれている愚庵も戦々恐々としながら、毎日都内への電車通勤を続けている。感染者、感染地域ともに拡大していく連日の報道を見ている時に「コロナウイルスの発生が無かったとしたら果たして何が報じられていたのか?」とふと疑問が浮かんだ。

アメリカ大統領選挙に向けた民主党の候補者争いがもっぱら話題の中心だが、世界経済の行く末を担うアメリカと中国の貿易摩擦はどのように進展していくのか。拉致被害者の親御さんがまた一人亡くなってしまったが、北朝鮮との外交交渉はどうやって進めていくのか。アジアの政治情勢がアメリカ大統領選挙のアピール材料に振り回される事を強く危惧している。

国内情勢に目を移すと、東京高等検察庁検事長の定年延長問題は、政権独自で法律の解釈を変更するという法治国家の根底を覆す暴挙と言って間違いはない。桜を見る会も然り、長期政権が「無理を通せば道理が引っ込む」を体現しているとしか思えない数々の事象と、ヤジへの謝罪位しか追及出来ない弱い野党の悲しき構図。次期首相として期待の星とされていた小泉くんも環境大臣就任と共に「虎の衣を借る狐」がごとくすっかり勢いが衰えてしまった。経済面では、10〜12月のGDPが大幅減という衝撃の発表もされた。キャッシュレス還元と息を巻いていたが、やはり消費税増税の影響は大きかったのだろう。1〜3月もコロナウイルスで自粛ムードが広がる中で消費の落ち込みは間違いない。リカバリーに向けた打ち手はどうする?

その他にも、自衛隊の中東派遣や楽天の送料無料問題、東池袋の親子殺害事件など、これらの続報は?政権の顔色を窺い、万人受けする(と思っている)報道を繰り返すマスメディアに頼って情報収集をする時代ではない。情報が氾濫する世の中だからこそ、正しい情報を得るために自分の脚と目、耳を研ぎ澄ませていく必要性を強く感じる。

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