たったA4用紙1枚で事業計画を可視化する!【リーンキャンバス×クラウドファンディング】
こんにちは。事業計画研究所です。
さて、本日はフレームワーク×クラウドファンディング第5段【リーンキャンバス×クラウドファンディング】について記載していきます。
そこから生まれた新企画『クラファンの虎』
本日も良ければ最後までお付き合いください。
◆リーンキャンバス◆
久々に『起業の科学』の登場です。笑
リーンキャンバスを使う意義について本書では『“今の段階でベストと思われる仮説”を整理する際に、最も効果的だと考える手法』と紹介されています。平たく言えば、ビジネスモデルを可視化するツールです。そのために事業の概要を9つの項目に分けて整理し記載していくというものです。
ビジネスモデルキャンバスというものも存在しますが、そこからスタートアップには重要ではない項目を省略したのがこのリーンキャンバスです。下記に書き出す9つの項目について簡潔に記します。
1. 課題(課題仮説)
これから行う事業で解決しようと考えている課題(仮説)を記載します。
2. 顧客セグメント
誰の課題を解決するのかを特定します。ざっくりしたものではなく、より具体的ペルソナを考えることがポイントです。
※また、アーリーアダプター(情報感度が高く、普段から課題に対する代替策を積極的に探している人)を狙えているかが重要ともなります。
3. 独自の価値提供
自社の製品・サービスが課題に対し、どういった価値を提供できるかを記載します。『製品の最大の売り(強み)は何か?』という事です。
4. ソリューション
課題の具体的な解決方法を書き出します。複数あるなら上位の有力案を3つ書き出しましょう。
5. チャネル
顧客との接点を持つ経路を考えます。
SNSを活用したコミュニティ形成や、プレイベントの開催、試作品のプレゼントキャンペーンなど思いつくところから記載すると良いでしょう。
6. 収益の流れ
いわゆるキャッシュポイントがどこになるかを考えてみます。顧客から直接収益を上げるモデルだけでなく、例えば、スマホアプリでは無料で使えるものも多く存在していますが、ゲームで強くなるための課金制や協賛企業からの広告収入なども視野に入れてもいいかもしれません。
クラウドファンディングにおいては、支援者が増えることが直接的なキャッシュポイントともなりますが、クラウドファンディング後の販路形成についても少し案を出し合っても良いでしょう。
7. コスト構造
初期費用から試作品(プロトタイプ)の制作費用、流通にかかわるコストなど、具体的にイメージを着けていきます。
8. 主要指標
『起業の科学』おいて、PMF(プロダクト・マーケット・フィット:顧客が熱狂的に欲しがるものを状態)を達成することがゴールとしています。
ここで示す指標というのは、PMFに到達するために継続続けるべき、定量的指標(KPI)を想定するというものです。言い替えると、ゴールを実現するための中間目標を数値で示していく形です。何をゴールとおくかで、その中間目標が変わるのは言うまでもありません。
汎用性の高い指標としてオススメされるのは、AARRR指標(海賊指標)が挙げられます。また別の記事で詳細を記載しようと思いますが、それぞれAcquisition(獲得)、Activation(活性化)、Retention(継続)、Referral(紹介)、Revenue(収益)の5つです。その成長段階ごとに可視化する事で、現在のビジネスステージの確認や、課題を抽出しやすくできるというものです。
9. 圧倒的な優位性
競合に対して、製品以外の領域で圧倒的に優位なポイントを書き出します。自社の強みといっても良いでしょう。
◆クラウドファンディングでの活用方法◆
クラウドファンディングにおいて、リーンキャンバスを用いる最大の強みは『メンバー内での情報共有の精度を高めることができる➡目線を合わせることができる』という点だと考えます。
今や既存製品の販路形成の一手としても活用されるクラウドファンディングですが、新たな事業の『認知度を高めたい』『継続的な販路を作っていきたい』という目的で実施・検討されている方が多いのではないでしょうか。
プラットフォームにもよりますがクラウドファンディング自体の平均的な達成率は30%程度と言われており、計画なしに成功を収めるのが容易では無いことが見受けられます。また、経験したことのある方ならば別ですが、1人(自社)だけで駆け抜けることも容易ではありません。
協力者を募る際や、協力を仰ぐために説明をする際にも、事業の目的やその概要が、たったA4一枚程度の用紙にまとめることができるので、可視化および共有するためのツールとして活用いただけるフレームであると思っています。
◆まとめ◆
リーンキャンバスは、本来スタートアップで使用されることの多いフレームですが、クラウドファンディングにおいても重要な役割を果たしてくれます。
クラウドファンディングの成功には、“想い”と“具体的な計画”の双方が合わさることが重要であると当研究所では考えます。そしてまた、一人で実現できない事でも、協力者・仲間と一緒であれば実現可能となることも少なくありません。
今回はその具体性の部分を、仲間内で共有するためのツールとして、本フレームを紹介させていただきました。言葉だけでは言い表せ切れない部分を整理し、仲間に伝える際には、是非お試しくださいませ。
本日もお読みいただきありがとうございました。