今ある現金の流れをしっかりと捉える。キャッシュフロー計算書について。
こんにちは、事業計画研究所です。
前々回から毎週金曜日連載シリーズとして財務3表の説明と分析手法も含めて4週にわたって、掲載予定です。
初学者向けに語句解説等をメインに説明しておりますので、ぜひご覧になってください。
前回の記事はこちらからご覧ください。
簡単に、これまでのおさらいです。
賃借対照表(B/S):ある一地点における財政状態を把握できる
損益計算書(P/L):ある一定期間における業績を表す
キャッシュフロー計算書:本文で解説!
それでは、本題に移ろうと思います。
キャッシュフロー計算書とは
一定期間の現金(キャッシュ)の増減を表す表です。
これまでのB/S,P/Lでは利益の増減は確認できますが、
実際に現金がどれだけ動いて、いくら手元に残っているのかは確認できません。
そこで、現金のみに着目して一定期間で企業内の預金がどれだけ増減したのかを計算したのがキャッシュフロー計算書になります。
大きく3つ項目に分かれ、営業活動、投資活動、財務活動それぞれにおけるキャッシュフローとして表記します。
営業活動のキャッシュフローは直接法と間接法といわれる2種類の表記方法がありますが、間接法で表記された資料を目にする機会が多いと思います。
それぞれの違いは直接法:詳細版、間接法:簡易版くらいの認識で大丈夫だと思います。
直接法で算出した場合は、取引ごとの内訳等もわかるため便利です。
しかし算出に必要な書類が多く、労力がいるため間接法が主流となっています。
簡単ではありますが、主要項目をいれて作ってみました。
ほかの財務諸表と比べても、そこまで見づらいところはないと思います。
上記でも述べましたが、
【1.営業活動】【2.投資活動】【3.財務活動】の3つの項目に分けて現金の増減を記載しています。
それぞれについてみていきます。
【営業活動によるキャッシュフロー】
分かりにくいかもしれないところに注釈をいれてみました。
キャッシュフロー計算書において一番大事な点は、その時点で現金が手元にあるかどうかです。
すなわち、
受け取る予定のあるお金:「現在はもらってないのでない」
払う予定のあるお金:「現在は払ってないのである」
現金以外の資産に変えた場合(土地・設備導入):「現金は減った」
という仕組みで(+,-)が表記されます。
【減価償却費】
他の財務諸表では(-)でしたが、
減価償却とは対応年数に合わせて価値の目減り分を形式上引いてるだけなのでキャッシュフローで記載すると(+)になります。
【売上債権】
売掛金や受取手形のことを言います。商品やサービスは提供しているが、代金はもらっていない状態の取引を指します。
売上債権の増加すると、売上は(+)ですが現金は入ってきてないので(-)表記になると言う訳です。
キャッシュフロー計算書自体は大きな企業のみが作成を義務付けられています。
そのため、小規模事業主や個人事業主は作成したことがないという方も多くいると思います。
売上があっても、現金がなければ黒字倒産の可能性もでてきてしまいます。
黒字倒産についても記事を書いてますので、ご覧になってみてください。
【投資活動によるキャッシュフロー】
ここは特に難しいことはないかと思います。
「何に」・「どこに」にお金を使ったのかが明記されています。
例としていくつか挙げておきます。
・固定資産(建物・設備)の購入・売却
・有価証券(株式・債権・手形等)の取得や売却
・貸付による支出や回収
【財務活動によるキャッシュフロー】
営業活動とは対比的に、「どこからお金を集めてきたのか。」という内訳です。
企業は金融機関や投資家など様々な方法で資金提供を募ります。
一例として少し上げておきます。
・株式の発行
・社債の発行
・金融機関からの借り入れ
実際のキャッシュフロー計算書を見てみましょう
武田製薬のキャッシュフロー計算書です。
基本項目に加えて、企業形態・業種などにより項目は適宜追加されます。
利益が出ている黒字企業では、営業活動(+)投資活動(-)のような形が多いかと思います。
本業で得た利益を投資活動に使用することによって、キャッシュフローでは(-)になるというわけです。
まずは、習うより慣れろです!
少しでも興味が沸いた方は、どこかの企業を覗いてみてください。
財務3表全て記載されているかと思います。
次回は、財務諸表を活用した経営分析について記載いたします。
また、中小企業庁よりキャッシュフロー計算書等の作成ひな形が公開されています。
実際に作ってみたい方も参考にしてはいかがでしょうか。
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