鶏が先か卵が先か #95 辞書の生き物
三代目の獣医師「ぼっけもん」が生き物に由来する言葉やことわざを紹介します。辞書には生き物の名前が付いていたり、生き物に由来する言い回しが多く残っており、日本人と生き物の強いつながりを示しています。
今日は鳥にまつわることわざです。
ニワトリが先かタマゴが先か
ニワトリは卵から生まれますが、卵はニワトリがいないと産まれません。どちらが先にできたのか考えても結論がでないところから、原因と結果などどちらが先かわからない状況を表す慣用句です。
景気対策で、賃金を上げるのが先か、消費を促すのが先かもこの問題の例になるでしょうか。賃金が上がらないと購買意欲も上がりませんが、消費が伸びなければ企業の業績も向上せず賃金アップにつながりません。
政府の景気対策もなかなか奏功していません。ニワトリとタマゴ問題を先に解かねばでしょうか。
タマゴが先?
個人的にはタマゴが先を支持しています。
ニワトリの定義にかかわりますが、進化の過程で初めてニワトリが出現した時のことを考えると、ニワトリのひとつ前のトリの祖先が産んだ卵が最初のニワトリになるのではと考えます。
セキショクヤケイ
ニワトリの祖先は、東南アジアの熱帯地域のジャングルに生息する赤色野鶏(セキショクヤケイ)とされています。 羽はその名の通り赤色系で大きさも今のニワトリ程度で、この野鶏を家禽化したのがニワトリと言われています。
品種改良の最終段階の親鳥同士の掛け合わせでニワトリができたとすると、最初のニワトリはその親鳥が産んだタマゴと考えてよいのではと考えますが、いかがでしょうか。
やはり永遠の課題として残しておくことでよいのかもしれません。