河童の川流れ:カッパのかわながれ #34 辞書の生き物
河童の川流れ:カッパのかわながれ
カッパは想像上の生き物・妖怪で川や沼に住み泳ぎや潜りが上手だとされています。そんなカッパでも川に流されてしまうこともあるということから、どんな名人でもたまには失敗するとのたとえ。達人であっても油断するとうまくいかないことがあるという意味で使われます。
名人でも失敗するという意味の類似のことわざには次のものがあります。
猿も木から落ちる:木登りが得意なサルも落っこちることがある。
上手の手から水が漏れる:名人であっても手から漏らしてしまうことがある、失敗することがある。
弘法にも筆の誤り:こうぼうにもふでのあやまり
書道の名人である弘法大師(空海)でも書き損じてしまうことがある、という意味で使われます。
昔、弘法大師が平安京の山門の額を書いた際に点をひとつ書き忘れたことからできたことわざです。
ただし、弘法大師はその額に向けて、筆を投げつけて見事に点を書いたとされており、そのことから、「弘法のような書の名人は直し方もうまいものだ」と逆に称賛する解釈も含まれているとか。
「弘法筆を選ばず」ということわざもあります。名人は道具の善し悪しによらずきちんと使いこなして実力を発揮するという意味で使われます。
名人は何をやっても名人なのでしょうね。