噛ませ犬:かませイヌ #117 辞書の生き物
噛ませ犬
主役を引き立てるために、一方的に負ける役目の人を指す言葉です。
元々は犬同士を戦わせる闘犬から生まれた言葉で、闘犬を強く育てるため、弱い犬を相手にして噛ませることで自信をつけさせる訓練が行われていました。噛まれるために戦わされていた犬はかわいそうですが、強い犬を育てるためには必要だったようです。
ビジネスの世界で、主役を引き立てるために少し劣る提案をするなどのケースや、恋愛で本命を魅力的に見せるための凡人役などが噛ませ犬になるでしょう。
映画「ロッキー」でのスタローンも、チャンピオンが楽に勝てるようにと対戦を組まされた噛ませ犬の役柄でした。彼は恋人ができたことで厳しいトレーニングに耐え、リングでは壮絶な戦いを展開し、試合終了後に「エイドリアーン」と叫ぶシーンが印象的でした。
仕事や人生で必要となる場面では噛ませ犬も重要な役割りを担います。
自分が噛ませ犬になってもよい覚悟が求められることもあるでしょうが、噛ませ犬を設定してもらえる人徳を積んでおくことも大事かもしれません。
さらには、噛ませ犬が不要なほどの自信や実力を持てればなのでしょうが、それはなかなかむつかしそうです。