ネコまたぎ #30 辞書の生き物
ネコマタギ
日本近海では多くの種類の魚が獲れ、食されてきましたが、魚が好きなネコでさえも見向きもしないほどおいしくない、あるいは食べにくい魚のことを、ネコが食べずにまたいで行くということから「ネコまたぎ」と言われています。
獲れる魚の種類によって地域ごとに「ネコまたぎ」と呼ばれる魚が異なっています。
ほっちゃれ
北海道では、川に戻ってきて産卵・放精した後の鮭は疲れ果て脂も落ちおいしくないので「ほっちゃれ:放ってしまえ」あるいは「ねこまたぎ」と呼んでいました。「ほっちゃれ」は疲れて元気がない人のことも表す方言になっています。
ヒイラギ
スズキの仲間のヒイラギという魚は小骨が多く食べられる部分が少なく食べにくいことからネコも嫌がるという意味で「ネコまたぎ」とも呼ばれています。
トロ
今では高級刺身のマグロのトロですが、江戸時代は冷蔵法がなかったため傷みやすく捨てられたり肥料にされていて、不要という意味から「ネコまたぎ」と言われていました。今とはだいぶ扱いが違いますね。
ぐうたらオヤジとしてはまたがれないよう注意せねばです。