借りてきた猫のよう:かりてきたネコのよう #153 辞書の生き物
借りてきたネコのよう
いつも賑やかで活発な人が、うってかわって非常におとなしくしているさまを表す慣用句です。
普段おとなしい人については使いません。
ネコは自分の家では我が物顔でふるまっていますが、よその家に連れていかれると、最初はすみっこでじっとしている様子からできた言い回しです。
日本人にとってお米は貴重なものでした。そのお米を食べるネズミとの闘いにネズミを捕るネコを飼う家がありました。
ネコがいない家では、ネズミを良く捕まえると評判の知人のネコを借りることもありましたが、見慣れない家に連れてこられたネコは、その家ではおとなしくなって普段の働きをしなかったということから生まれた言葉とされています。
内弁慶
似た意味の言葉に「内弁慶:うちべんけい」があります。自分の家など慣れたテリトリーではいばっているものの、家の外など他の場所では静かにおとなしくしている様子を表します。
元となる「内弁慶(うちべんけい)の外地蔵(そとじぞう)」を略したものです。じっとしている様子を地蔵にたとえたのは絶妙です。
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