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まな板の上の鯉 #44 辞書の生き物
「まな板の上の鯉」とは、文字通りまな板に載せられて逃げることができず、調理されることを待っている状態を示します。自分ではどうすることもできず、諦めている状況を表す言い回しになりますが、何もかも悟って諦観(ていかん)しているのではなく、どうしようもないとあきらめ、ジタバタしない状態のイメージです。
「俎上の鯉:そじょうのこい」の表現で使われることもあります。「俎」はまな板のことです。まな板の上に載せられた鯉は暴れない、もしくはうまい料理人の手にかかるとじっとしているとされています。相手に生殺与奪(せいさつよだつ)の権利を握られ、まさに死を覚悟しじっと成り行きを待っている状況になります。
「俎上に載せる」という表現がありますが、これは「鯉」をまな板に載せるのではなく、物事や議題を議論の対象として提案することを表しています。提案する行為までであり、まだ何も決まっていませんので、俎上の鯉と違って、マイナスのイメージはありません。