吞舟の魚:どんしゅうのうお #31 辞書の生き物
呑舟の魚
吞舟の「呑:どん」は、「ぐい吞み」の「呑み」と同じで飲むという意味で、呑舟は舟をまるのみにすることを表します。つまり呑舟の魚は舟を丸のみにするくらいの大きな魚という意味になります。そこから、大きな才能を持つ人や大物、大人物のことを言うようになりました。善人だけでなく悪人についても使われます。
由来は中国の荘子のたとえ話です。呑舟の魚であっても、陸に打ち上げられたら何もできないことから、優れた人物もよい環境がないと活躍できないとしています。
吞舟の魚は枝流に泳がず
関連する表現として、「吞舟の魚は枝流に泳がず」があります。呑舟の魚(すぐれた人物)は枝流(小さな川)、つまり、小人物・雑魚(ざこ)とは交わらないという意味で使われます。
網、呑舟の魚を漏らす:あみ どんしゅうのうおをもらす
舟を呑みこむほどの大魚でも、網で捕まえられずに逃してしまうことがあること。法の網をくぐり抜けるような大悪人を、捕まえられず罰することができないこと、あるいは法律に大罪人を逃してしまう穴・盲点がある場合に使われます。
モンストロ
呑舟の魚ですが、どれくらいの魚なんでしょう。ピノキオでゼペットじいさんも飲み込んでしまったクジラのモンストロ級でしょうか。