藪をつついて蛇を出す:やぶをつついてヘビをだす #129 辞書の生き物
やぶをつついて蛇を出す
余計なことや不必要なことをした結果、災いを招くことを表すことわざです。意味もなくヤブをつついたために、ヤブの中で大人しくしていた蛇を怒らせて外に出してしまう様子からできた言葉になります。
略して「藪蛇」で使われることの方が多いかもしれません。
「藪から棒(note #127参照 )」は似ていますが意味が違いますので気を付けましょう。
生き物ではありませんが、「藪」はいろいろなものが隠れている場所として使われます。
芥川龍之介の小説「藪の中」は、藪の中で起こった殺人事件の取り調べで、容疑者の証言が異なるため結局犯人がわからないままという内容です。そこから真実が不明な状態を「真相は藪の中」と言うようになりました。
「藪をつついて蛇を出す」の類義語は「寝た子を起こす」でしょうか。
静かに寝ている子供を起こして泣かれてしまっては大変ですね。
一方、「寝た子を起こすな」という状況もあります。秘密にしておきたいことなどをわざわざ話題にすることで表ざたにしてしまう場合に使われます。
藪の中のものには触れないようにしましょう。
「君子危うきに近寄らず」が平穏な過ごし方かもしれません。