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豚に真珠:ブタにしんじゅ #136 辞書の生き物
ブタに真珠
値打ちがわからない者には、価値のあるものを与えても意味がなく、無駄であることのたとえです。似合っていないことを揶揄したものではありません。
小学生でも知っているほどのことわざですが、聖書に由来する言葉であることはあまり知られていません。
新約聖書にある寓話でイエスが次のように語ったとされています。
「神聖なものを犬に与えてはいけない。真珠を豚の前に投げてもいけない。たぶん踏みづけられ、あなたに向かって噛みついてくるだろう」
イヌもブタもさんざんな言われようですが、彼らには価値がわからずありがたがらないと言っています。
同様の意味を持つことわざは「猫に小判」ですが、ここでは価値がわからない動物としてネコが選ばれています。
「猫に小判」は上方かるたの「ね」の札になっていますので、古くから使われていた言葉のようです。この上方は京都のことです。
ちなみに江戸のかるたの「ね」は「念には念を入れよ」、大坂のかるたでは「寝耳に水」と地域色が出ているのもおもしろいですね。