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鴬張り:ウグイスばり #54 辞書の生き物
ウグイスばり
お城や寺院の縁側や廊下の床の上を歩いた際にキュッキュッと軋んで音が鳴る様につくられた仕組みのことを、その音にちなんでウグイス張りと呼んでいます。
知恩院
有名なのは京都の知恩院にある長い廊下のものです。
床を踏んで鳴る音が「ホーホケキョ」ではなく「ホーキケヨ:法 聞けよ」と聞こえると言われており、さすが知恩院とありがたく感じられるようです。
床なり
古い家の廊下はギシギシ鳴ったりしますが、これはウグイス張りではなく劣化によるゆがみや傷みによる床なりです。
「我が家の廊下はウグイス張りだよ」と知人に言うのは問題ありませんが。
防犯
江戸時代にはウグイス張りの設置技術が確立されていたとされています。
当時は庭から廊下を経て障子越しにすぐに屋内に入ることができていたため、防犯の目的でウグイス張りが導入されていました。
高い技術で作られたウグイス張りでは、静かに歩くほど大きな音が出るようになっていたとか。
現在では廊下がある家は少なくなっていますが、ウグイス張りの代わりに、庭に敷いて踏むと大きな音がする砂利が防犯用品として製品化されています。さすがにウグイス張りという名前ではなく「防犯砂利」が一般名称のようです。