ハム太郎のキーワードからまなぶ日本経済(Vol.1「避妊」後編)
3.女性側の避妊の普及とこれからの日本経済
さらに数日後
ロコ「ハム太郎!」
ハム「へけっ🌻
ロコちゃんどうしたのだ?」
ロコ「今ね、AbemaTVの『17.3 about a sex』
というドラマを見ていたんだけど、すごくためになったの!
AbemaTVを視聴している中高生が正しい性の知識を身に着けられて、
いい番組だなぁと思った!」
ハム「素敵なのだ!
僕も調べていく中で、
国際基督教大学の学生がスウェーデン留学中の体験をきっかけに、
日本の避妊手法を増やそうとする意図で、
『なんでないのプロジェクト』を起こしてることを知ったのだ。」
ロコ「日本でも性について当たり前のように話せる雰囲気ができたり、
みんなで考えよう!という方向に向かっていってるのね。」
ハム「そうなのだ!
女性側の避妊がもっとはやってもいいのに、
って考えるロコちゃんにとってはいい風が吹いている気がするのだ。
じゃあロコちゃん、
どうしたらビジネスの視点から、
女性側の避妊を増やすことができると思う?」
ロコ「うーん、そうねぇ、
以下のようなアプローチが考えられるんじゃないかしら?
① 最も認知度の高いピルの
使いにくさを取り除く商品・サービスの開発
② 日本で認可されているけど知名度が低いIUSの普及
③ 日本で認可されていない海外の近代的避妊方法の導入や
新しい避妊方法の開発
④ 女性が避妊しやすくなる仕組みや制度を企業に売る」
ハム「なるほど🌻
それぞれ実現できそうかどうか考えてみるのだ!」
① 最も認知度の高いピルの
使いにくさを取り除く商品・サービスの開発
ロコ「まずは改めて、日本で認可されているピル・IUSについて、
メリット・デメリットも含めてまとめてみるね」
▼ 日本で認可されている避妊方法
(1)ピル
・メリット
現状できる避妊手法の中では、一回あたりの価格が安価
ある程度普及しているので認知度や手軽さもある
・デメリット
毎日きまった時間に飲まないといけないし、
飲み忘れると効果が低くなってしまう
血栓症を発症する恐れがあるから、定期的な採血検査も必要
タバコ吸ってる人は飲めない
(2)IUS(子宮内黄体ホルモン放出システム)
・メリット
1回入れたら5年間避妊効果が続く
IUD(子宮内避妊具)と同じような形だけど、
IUSには生理の量を抑える効果もあるのでよりオススメ
・デメリット
自分で装着・取り外しができないので、婦人科で処置が必要
陰部にモノを入れるのが苦手な人は苦手そう…
避妊目的の場合、1回あたりの値段が5~10万ぐらいかかる
※以前までは、妊娠経験のある人に向いているとされてたけど、
最新のデータでは妊娠経験がなくても問題ないとされてるよ!
ハム「なるほどなのだ。
いまある女性側の避妊方法の課題点としては、
ピル=認知度は高いけど、飲み続けるのがめんどくさい
IUS=効果が長続きするけど、価格が高くて、
陰部に入れるのに抵抗がある人もいる
(っていうかそもそも知られてない)
という感じなのだ!」
ロコ「ピルに関しては、
飲み忘れてしまうと避妊効果が下がってしまうから、
確実にユーザーが薬にリーチできることが
ミッションクリティカリティに繋がるよね。
そういう意味では、スマルナが課題解決の事例としてあるね。」
ハム「なるほど~🌻
スマルナを使うと、オンラインで診察を受けることができて、
おうちのポストまでピルを届けてくれるのだ!
24時間問診を受けつけてるし、最短翌日にピルをもらえるのも、
ユーザーの抱える課題にフィットしそうなのだ。
同様のサービスをクリニックフォアでもやってるようだし、
ユーザーが増えれば増えるほど攻めがいがありそう👀」
② 日本で認可されているけど知名度が低いIUSの普及
ロコ「IUSについては、
シンプルに認知度の低さが課題な気がするかなぁ…
ピルに関しては作っているメーカーもいくつかあるけど、
IUSを日本に導入してるのはバイエルだけだもんね👀」
ハム「海外の避妊データを見ると、
中国はIUS・IUDの利用率がとても高いのだ。
というのも、中国は一人っ子政策を行っていたから、
一人出産した後に妊娠しないように、
という目的で、IUSを入れた人が多かったようなのだ。」
ロコ「その頃は出産経験のある人じゃないとダメかもってなってたけど、
今は出産経験がなくても入れられることになってて便利だよね。
あと実はコスパが良いっていうのもあるよね。
ピルを使うと、1か月で2000~3000円と考えると、
5年間使うと120000~180000円かかっちゃうけど、
IUSは50000~100000円ぐらいだから、総合的にみると安い…」
ハム「(バイエルの回し者なのだ…?)
海外ではもっと安いみたいだし、
需要が高まれば高まるほど安くなると思うので、
読者のみんなの中で気になる人がいたら以下から見てみるのだ👀」
③ 日本で認可されていない海外の近代的避妊方法の導入や
新しい避妊方法の開発
ロコ「これが一番難しいけど、一番夢のある選択肢だよね👀」
ハム「そうなのだ!
"日本における女性側の避妊市場"を
・まだ開拓されてないけど、
日本の女性の意識改善によって伸びしろがある
市場に安定したプレイヤーがいない市場
と考えると、
『経営戦略の実践1 高収益事業の創り方』における
揺籠市場に当てはまると考えることもできそうなのだ。
(詳しいことは買って読んでみてほしいのだ🌻)
こういった場合、
その市場でもっとも早く仕掛けたプレイヤーが有利になる
『先行者優位の原則』が成り立つのだ。」
ロコ「先行者優位の原則が成り立つなら、
いち早く日本に新しい市場を作った企業は
基本的に有利になるわけよね👀」
ハム「こういった未開拓市場を開くときは、
"その商品/サービスを導入したときに
感謝してくれるユーザーがいるか"
を考える必要があるのだ。
ピル・IUSでは満たされないユーザーのニーズを抽出しようとして、
無理やりまとめるとだいたいこんな感じっぽいのだ🌻」
ロコ「左下の象限はあんまりニーズがなさそうだから、
・おてがるだけど飲み忘れリスクや手間が少ない
・効果が長いけど陰部に挿入したり医師の処置が少ない
とかがユーザーに感謝されそうなニーズとしてありそう…👀」
ハム「じゃあ、いま認可されてないけど、
海外では使われている避妊方法も見てみようなのだ🌻」
▼ 日本で認可されていない避妊方法
※一部情報不足ですがご容赦ください…
(3)避妊インプラント
マッチぐらいの大きさで腕に埋め込む
避妊失敗率は0.05%
・メリット
1回入れたら3年間避妊効果が続く
埋め込むのは腕なので、医師に陰部を見せなくていい
・デメリット
腕に埋め込んだり取り外したりに医師の処置が必要
(4)避妊注射
3か月ごとに注射を受けにいく
避妊失敗率は6%程度
・メリット
注射なので、医師に陰部を見せなくていい
・デメリット
副作用がありそう…?
(5)避妊リング
1度子宮内にリングを入れたら、3週間取り出さなくていい
避妊失敗率は9%程度
・メリット
自分で買ってリングを入れられる
・デメリット
手軽だけど、他の手法と比べると避妊失敗率が高め
(6)避妊シール
腕とかおなか、お尻、背中のうち好きなとこにシールを貼る
1週間ごとに張り替えて、3週間使う
避妊失敗率は9%程度
・メリット
陰部じゃないところに貼るのでおてがる
・デメリット
手軽だけど、他の手法と比べると避妊失敗率が高め
ハム「これも無理やりまとめるとこんな感じかなぁ。」
ロコ「避妊インプラントは効果も3年と長いし、
IUSなどの欠点である、
・陰部に挿入しなきゃいけないのに抵抗がある
(体質によって挿入ができない人も含む)
というユーザーにとってはすごく感謝されそう!」
ハム「避妊効果自体はそこまで高くないけど、
・毎日薬を飲み続けるのがめんどう
というユーザーにとっては、
避妊シールやリングも便利に使ってもらえそうなのだ👀
ちなみにそれぞれの避妊方法の世界での価格はこんな感じなのだ。」
ロコ「日本では需要が少ないからこの値段になってる感じがするよね。
国内での需要が高まれば、
それぞれの避妊方法の価格もある程度下がりそう👀
海外の医薬品を販売する会社にお務めの読者のみなさんの中で、
導入可能性がありそうだなぁ…と感じられた方がいたら、
ぜひマーケティングリサーチをしてみて、
売れそうなら国に認可してもらえるよう動いてくれたらいいな!笑」
ハム「そんな人が見てたらとってもいいのだ^^
それ以外の読者の方で、
"ピル・IUS以外の避妊方法が導入されてもいいかも!"
と思った方は、以下から署名に参加することもできるのだ🌻」
④ 女性が避妊しやすくなる仕組みや制度を企業に売る
ハム「これがよく分からなかったんだけど、どういうことなのだ?」
ロコ「雑に言ってしまうと、
女性側が避妊するのって企業側にとってメリットだと思うのよね👀
・この女性は、急な妊娠で職場から抜けるリスクを避けるために、
自主的にキャリアをコントロールしてる人なんだな
(今回の記事では特に言及しなかったけど、
生理が重い人にとっては生理痛を減らす目的でも使ったりするし、
そういう意味でもキャリアコントロールに繋がるよね)
ってなるじゃない?」
ハム「確かに。
"お母さんになっても働き続けられる"ことはもちろん大事だけど、
"キャリア形成にじっくり向き合う時間を確保する"ことも大事なこと
だよね👀」
ロコ「一方で、女性側の避妊はゴムと比べてコストが高いのもあるから、
"将来的に日本のすべての女性がリプロダクティブ・ライツを手にして
自分の意思でキャリアプランを描ける未来を目指す"
…っていう感じのSDGs的な意味を含めながら、
生理休暇や産休・育休みたいなのと同じように、
避妊手当の制度があってもいいんじゃないかなーって👀」
ハム「いやぁ…それは難しいんじゃない?
だって働きながら妊活してる人、子供欲しい人はお金もらえなくて、
避妊してる人はお金もらえるの不公平な気がするのだ💦」
ロコ「難しいかなぁ?
あんまり大きな企業だと取り入れにくいかもしれないけど、
たとえばベンチャー企業とかで、
"新卒から5年間はちゃんとキャリアに向き合ってくださいね"
って感じで導入してみてもいい気がするけどな…
とはいえ伝え方や巻き込み方がすごく難しい気がするから、
福利厚生制度の導入まわりを扱ってる会社に考えてみてもらっても
いいんじゃないかな~と思うんだよね。」
ハム「んーーー、はやらないと思うけどなぁ…。笑
そんな会社で働いてる人がいたら考えてみてくださいなのだ。笑」
ひまわりの種で もひもひ休憩中
ハム「ところでさ、さっきロコちゃん、
"SDGsに絡められそう"って話してたよね?
"SDGsに絡める"って具体的にどうしたらいいのだ?」
ロコ「わかんない…。笑
なんかそもそもSDGsってなんなのかよく分からないよね。笑
CSRとかに近い考え方なのかなーって思っちゃってるけど。笑」
ハム「社会課題の解決がしたい人や団体にとっては、
ESG経営が叫ばれたり、SDGs対策しなきゃっていう今の世の中って、
結構追い風な気がするんだけど、
うまく乗りこなせてるのか疑問なことも多いのだ。
そもそも僕たちもあんまりSDGsのことよくわかってないし…」
ロコ「確かにね。
・結局のところSDGsって何なのか?
・一過性のブームなのか?しばらく続くのか?
・企業はどういうところに意識が向いてて、
どのツボを押すとアクションに繋がりやすいのか?
を知れると、提案につなげやすいのかもね!」
今回も最後まで読んでくれてありがとうなのだ。
…というわけで次回はSDGsやESG経営について調べる予定なのだ。
そのうち気が向いたら出すので、
よかったら読んでくれたらうれしいのだ🌻へけっ