【ワイン】 イメチェン・エッセイ
「ねえ、わたしに似合うお酒って何?」
「君に似合うお酒?そうだね、カシスソーダとかはどう?」
「カシスソーダ?え〜〜、美味しいけどなんか特別感ないな〜。」
「そんなことないよ、君は特別だよ………」
🍸 🍸 🍸
ワインのステキなものに出会う。
もちろんある程度のお金を出せばステキな一本には出会えるけど、いい時間を過ごさせてくれるものは出会いもの。
わたしは大酒飲みじゃないし特に強くもないから、限られた酒量でいい時間を過ごしたいって思う。その傾向は外で飲むとなると特に強く出る。たくさんは飲めないし、でもお店の席を頂いて時間を過ごしてるわけだから、ワインだったら量を飲めない代わりに少しいいものをって思うし。
ゆっくりと体を流れるお酒があります。例えばウイスキーであったり、ワインであったり。
急ぎ足で体を流れるお酒もある。例えばビールだったり、シードルだったり。
この急ぎ足で流れるお酒、ひとくちふたくちは美味しいけど、わたしにとっては体を急に冷やしたりで具合が悪くなる可能性が非常に高い。なのでわたしにとってはいいお酒とは呼べないかもね。
ゆっくりと流れるお酒。わたし自体のんびりスローな生き物なので、これは結構好き。ワインは特に好きでいろんなものを飲んだし、いろんな人にも会った。ウイスキーは味は好きだけどあっという間に寝てしまいます。そうだ、よく考えたらお酒好きな人にプレゼント渡すときはワインかウイスキーが多い。
この体をめぐる早さの違いってなんなんだろう。オンライン民明書房で調べてみた
ワイン(和飲)
鎖国時代の日本にやってきた南蛮船の船員たちが見つけた、ある醸造法でできた葡萄のお酒。
日本で伝統的に作られていた蒸した米を発酵させ木樽で熟成することによって芳醇な味わいとなるこの飲み物に感動した船員たちが祖国へこの技法を持ち帰り、葡萄で作ったものがワインの始まりと言われている。名前については、和の国の飲み物、共に飲むことによって和を成すその文化への敬意を込めたものとなっている。
う〜〜ん、まだ見えてこない。
お酒はゆっくり味わいたいのよ。詰まってたものがゆっくりと柔らかくなっていく感覚。コースのお料理を頂いて、食べ進めるうちにカトラリーの壁が取り払われていく感覚。時間をグラスとお酒と共に過ごす。そうさせるもの。温もり。肌触り。木だ。きっと、木と多く関わったお酒。それがゆっくりと流れるお酒の特徴なのかも。
樽の中で熟成されながら雨の音を聞いたり、人々の話し声に揺られたり、じっくりと過ごしてきたお酒。きっとそこに惹かれてる。葡萄が木になって、木でできた樽の中でじっと過ごして出来上がるワイン。グラスに注いで少し経った頃、少しの恥じらいと広がっていく温もり。ステキなワインはそんな味がする。
ずっと自分の中にあったものを言葉に表してみる。音で表してみる。描いてみる。
誰かがそっと思っていたことを言葉に表してくれる。音で表してくれる。描いてくれる。
みんなの思いはステキなワインのように。
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「ねえ、わたしは特別だって思うなら、なにが特別なのかおしえて」
「そうだね、じゃあ、君のそのグラスの中に今からあるものを入れるよ」
「うん」
「まずは、チェリー」
「うん。」
レロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロ
「そして、これ。夏だものね。」
「ええっ、なにそれっ!カブトム……」
プチッ プチプチプチッ!!!
プッ
「うん、すごくすきなんだ…………ココナッツ」
【おしまい】