【駄菓子屋とイカ】 旅する日本語 麗らか
「少年、イカ食べるか?」
「はい‥」
すごく背の高いお兄さんだ
「ほら、焼けたで。よう噛んで食べ」
麗らかな日の下校途中
「すいません、お兄さん、ひょっとして、コブ…」
「しっ」
お兄さんは優しい笑顔で口に人差し指を合わせる
ソースがたくさんかかってて、ふわふわしてて、おいしいイカ焼き
食べ終えて、少し話をして、少年は立ち上がる
「今度はおかあさん連れてくるね」
お兄さんはまた、人差し指を口に当て、優しくはなしかける
「駄菓子屋は子供だけのもん、大人が来るとややこしなるもんなんや、またおいで」
空は青く突き抜けるようで、理科の授業でこないだ教わった真っ黒な宇宙がその先にあるなんて僕は信じられない
明日も学校だ
本日も【スナック・クリオネ】にお越しいただいき、ありがとうございます。 席料、乾き物、氷、水道水、全て有料でございます(うふふッ) またのご来店、お待ちしております。