【田村とび箱】 #逆噴射小説大賞2020
「いいか、田村がとび箱に手をついた瞬間だぞ、一気にバーン!!だ。」
「あいつ驚くだろうな。中に俺たちがいるなんて、きひひっ。でも怪我しないかな。」
「大丈夫だって。あいつ運動神経凄えから。ほら、走り出した!」
「う、ぉぉ」
「きた!」
「あぁぁぁぁぁぁ、ぁぁぁ」
「どうした、びびったの?」
「ぁぁぁ、ちがっうっ、ぅ、なんだよ、あれなんだよ」
「なんだ、なにかあったか?お前の見てる隙間からなんか見えんの?」
「やべぇって、ぉぉぉ、こぉぉぉぉぉぉぉっ」
「なんだよ、見せてみ、はぁっ、なんだってあれ!え、え、え、」
「む、武者!!武者!メカ!メカ、武者、メカ!田村、武者、メカ!」
「馬に乗ってんじゃねーか!やべえって、くる、くるぞ、くるっ!出るぞ!はっ、待て、なんだこれ、この隙間から見てみろ!田村メカ武者じゃねえ、なんだ、これなんだ!?」
「ウェ、ウェ、ウェ、ウェイトレス姿!田村、ウェイトレス、姿、ファミレス、ウェイトレス!田村、ファミレス!」
「なんかやべえって、これ!おい、こっちだ、見ろ!また違うぞ!」
「え、なんかブルーハーツみたいな格好してる……」
「そういやあいつ好きだよな、ブルーハーツ…」
おい、北田、村上、聞こえるか?俺だ、田村だ!
「田村、田村、声、おい、北田、田村、声!」
いいか、よく聞いてくれ、俺の姿はお前たちが選んだとび箱の隙間によって変わる!選んでくれ、そして俺がとび箱に手をつけた瞬間にその隙間からとび箱を開けてくれ!そこから先はどうなるかわからない!でも俺を助けることができるのはお前たちだけだ!
「おい、えっ、どういうことだ、おい、田村!」
頼む!北田!もうまもなく俺はとび箱に手をつく!お願いだ!選んでくれ!その先にどんな未来が待ってようと、俺はお前たちを信じる!
3秒!
「北田!田村、ウェイトレス、武者、北田、早く!」
2秒!
「うぉぉ…」
1…
「田村、蝉、パンケーキ、北田、田村、きた!」
着手!
続く
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