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『ロバのサイン会』(著者:吉野万理子)は麻布中、金蘭千里中で出題されました!中学受験国語の入試問題の内容を紹介します!
■『ロバのサイン会』(著者:吉野万理子)について
この本は、
女優のプライド
→女優ネコのリリアン波乗り5秒前
→バンドウイルカのミントおれ害獣
→シカのサンカクうまれないタマゴ
→イグアナのネムリンお値段100万円
→ティーカッププードルのココアアゲハひとりぼっち
→ジャコウアゲハのお菊ちゃん青い羽ねむる
→セキセイインコのパピプーロバのサイン会
→ロバのウサウマ
の8つの動物たちの物語です。(→8つの動物たちが語り手です。)
ウサウマというロバが山田ADと旅する番組がテレビで人気になります。旅するロバのウサウマが出会った動物たちということで、このウサウマが各物語で少しずつ登場します。
猫のリリアンはテレビに出る女優ネコで、リリアンが住んでいる社長の家には、他にたくさんのタレント動物たちが一緒に住んでいます。イグアナのノタリンとネムリン、インコのパピプー、も自分の物語の他にも出場し、それぞれの物語に少しずつ関係があったりします。
この物語の動物たちは、みんな人間の言葉が本当は分かっているんだという前提で書かれていて、人間に可愛がられたり、守られたり、愚痴をこぼされたりしながら、都合のいい人間たちの世界が描かれています。
とはいえ、嫌味なところはなく、さりげなく愛や生きること、人間と動物の死生観の違いなどを教えられ、ほろっとしたり、ほっこりしたり、素敵な作品です。
「うまれないタマゴ」「アゲハひとりぼっち」は小学生にはちょっとピンとこないかもしれません。小学生には少し難しいところもありますが、他の物語はぜひ読んでもらいたい作品です。
「青い羽」パピプーは泣かされました。
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2017年度麻布中学校、2018年度金蘭千里中学校の国語の入試問題で出題されました。
◆2017年度麻布中学校の国語の入試問題
この『ロバのサイン会』の「おれ害獣」からのみの出題です。「おれ害獣」の単行本で後半21ページ分少し省略されながら出題されました。「シカは人間にとって害獣となるのに、奈良公園のシカは天然記念物です。シカのサンカクとマルは冬の飢えから逃れるために、奈良公園にたどり着きますが、サンカクは害獣を選択します。」という場面です。
設問形式は、13問(1問に2つの設問がある問いが1問)の設問のうち、漢字が1問、4択の記号選択問題が2問、抜き出しが1問、残り10問は全て自由記述の問題です。設問最後の13番は、自由記述問題で解答用紙の行が5行分用意されていました。本文全体を捉えてしっかり書けなければならないでしょう。
◆2018年度金蘭千里中学校の国語の入試問題
この『ロバのサイン会』の「青い羽ねむる」からの出題です。
インコのパピプーが最期を迎えるシーンです。飼い主の蓮くんがパピプーのために病院へ連れて行ったり、望みをきいてあげようとしたりするのですが、パピプーは死ぬのは怖いことではなくて、自然なことなのに、と思いながら死んでしまうという場面です。
人間と動物の死生観の違いが本文では表されていて、記述問題はその違いを問われました。
大問1番の設問形式は、漢字が1問、語句の意味が1問、語句の挿入が1問、抜き出しが2問、25字と60字制限つき記述問題が2問、記号選択問題が2問、全部で9問となっています。大問2番は論説文で10問まででした。