『十二歳』(椰月美智子)は公文国際学園中、市川中、恵泉女学園中で出題されました!中学受験国語の入試問題の内容を紹介します!
■『十二歳』(椰月美智子)について
この本は、椰月美智子さんのデビュー作で、2002年に第42回講談社児童文学新人賞を受賞しています。
鈴木さえという小6の女の子が主人公で、十二歳という年で色々気づいたこと、わからないこと、など独白のような形で話が進みます。
さえは元気な女の子で水泳も得意、運動も得意で、小学校のポートボールチームに属して練習しています。しかし、さえ本人は”人間離れ”という自分がなんだかわからない、自分が自分でないような気がする状態になってしまい、やる気が起こらず、チームは優勝するのに、さえは結局試合に一度も出場せず終わります。
なので、読んでいる方も、優勝しているのに全く盛り上がらないため、夢中になったり興奮したりすることなく終わってしまいます。
どちらかというと、小学生以上か大人が読んだ方がわかる小説ではないでしょうか。同じ十二歳が読んでも、「なんだか変なの」とか「なに言ってるのかわからない」と思う子の方が多いでしょう。
中学受験の入試問題では、さえは自分の性格が飽きっぽいことがわかっていて、同じ1つのことでも人によって受け止め方が違うことに衝撃を受けるシーンが2校で出題されています。
内面を描いた小説なので、記述式の問題の解答にどのように書いたらいいかなど、問題としては難しく感じるでしょう。
物語が難しい学校を受験する生徒さんは、読みやすいけどちょっと難しいこの作品は、練習として読んでみてもいいでしょう。
中学受験では、2010年度第1回恵泉女学園中学校、2012年第1回市川中学校、2017年度公文国際学園中等部B入試の国語の入試問題で出題されました。
◆2010年度第1回恵泉女学園中学校の国語の入試問題
大問1番で、リード文があり、「第2章 頭痛」から単行本で約8ページ半出題されました。さえがオール木成というポートボールのチームに入ったことで、ピアノをやめることにした場面です。
大問2番は説明文で、大問2番まででした。
この大問1番の設問形式は、漢字が1問、4択の記号選択が2問、自由記述が3問で、全部で6問でした。
◆2012年第1回市川中学校の国語の入試問題
大問2番で、リード文があり、上記の恵泉女学園中学校の問題と全く同じ部分、「第2章 頭痛」から単行本で約8ページ半が出題されました。さえがオール木成というポートボールのチームに入ったことで、ピアノをやめることにした場面です。
大問1番は説明文で、大問3番が漢字でした。
この大問2番の設問形式は、語句の意味の問題が1問、語句の挿入が1問、5択の記号選択が4問、80字の記述が1問で、全部で7問でした。
◆2017年度公文国際学園中等部B入試の国語の入試問題
大問1番で、上記の恵泉女学園中学校の問題と全く同じ部分、「第2章 頭痛」から単行本で約8ページ半が出題されました。
3校全部同じ部分です。
大問2番は説明文、大問3番は漢字、慣用句、部首、かなづかいの問題で、大問3番まででした。
この大問1番の設問形式は、語句の意味が1問、5択の記号選択が4問、80字の記述が1問、100字の記述が1問で全部で7問でした。