『逆ソクラテス』(著者:伊坂幸太郎)は成蹊中、法政大学中、公文国際中で出題されました!中学受験国語の入試問題の内容を紹介します!
■『逆ソクラテス』(著者:伊坂幸太郎)について
この本は、
逆ソクラテス
スロウではない
非オプティマス
アンスポーツマンライク
逆ワシントン
の5編からなる短編集です。
伊坂幸太郎さんの小説は、『アヒルと鴨のコインロッカー』や『グラスホッパー』など映画化された作品も多く有名ですが、中学受験ではあまり見受けられません。(2017年度早稲田中学校で『ガソリン生活』が出題されています)
「逆ソクラテス」は文庫で約65ページの小説です。
「逆ソクラテス」、というタイトルも読んでみると、なるほど...とうなずけます。大人としては、むしろ久留米先生(決めつけるタイプ)になりがちなので、気をつけないといけないなと、風刺っぽいところもあり、安斎君という少年がなかなかおもしろいです。
実は、65ページですごく大事なことを言っている作品です。すぐ読めます。
ぜひ小学生はもちろん、お父さんお母さんも一緒に読んでみてください。
他の4編も伊坂幸太郎さんにしては珍しく、少年を中心に描かれている作品です。
ただ、少年少女向けの小説ではなく、どちらかというと大人目線の作品です。
出題された「逆ソクラテス」は、小学生でも楽しく読めますのでおすすめです。
Amazon Audibleでも『逆ソクラテス』は購入可能です。自分で読むにこしたことはないですが、忙しい受験生には、Audibleで聴くのも1つの手段としていいでしょう。
中学受験では、2013年度第1回成蹊中学校、2014年度第1回法政大学中学校、2021年度B入試公文国際学園中等部で出題されました。
◆2013年度第1回成蹊中学校の国語の入試問題
大問1番で最初に10行分のリード文があり、文庫で約7.5ページ分が出題されました。大問2番は論説文で、大問2番までです。「僕と安斎で、草壁をバカにする久留米先生の先入観を変えようと、プロ野球選手の小学校での野球教室のときに、その野球選手に草壁を褒めてもらえるように頼み、それが実行される」という場面が出題されました。
大問1番の設問形式は、自由記述の問題が4問、75字の記述が1題、4択の記号選択問題が2題で、問7まででした。
下記の法政大学中学校で翌年同じ箇所が出題されていますが、この問題に関しては、成蹊中学校の自由記述4問の方が難しいでしょう。
◆2014年度第1回法政大学中学校の国語の入試問題
大問1番で文庫で約7.5ページ分出題され、大問2番は論説文で、大問2番までです。なんと、成蹊中学校の出題箇所と全く同じ部分がリード文なしで出題されました。若干形式は変わっていますが、成蹊中学校と同じ設問も出題されました。
設問形式は、適語補充問題が1題、抜き出しが3問、4択の記号選択問題が3問、字数制限つき記述問題が2題、漢字が1題、文法が1題、全部で11問の出題でした。
◆2021年度B入試公文国際学園中等部の国語の入試問題
大問1番でこの「逆ソクラテス」から出題され、大問2番は説明文、大問3番で漢字の書き取り、敬語、ことわざが出題されました。
「逆ソクラテス」からは安斎少年がクラスで力を持つ土田の意見に異を唱え、久留米先生の決めつける姿勢に敵は先入観だと言う場面が出題されました。「教師期待効果」について安斎君が説明し、設問でも教師期待効果について問われています。
設問形式は、5択の記号選択問題が8問、語句の挿入も5択記号選択で1問、11〜20字を2つ書く記述問題が2問で全部で11問でした。