『翔ぶ少女』(著者:原田マハ)は芝中、鎌倉女学院中で出題されました!中学受験国語の入試問題の内容を紹介します!
■『翔ぶ少女』(原田マハ)について
この本は、1995年の阪神・淡路大震災で両親を失った3人の兄妹が、妻を失ったゼロ先生という心療内科の医師に救われ、一緒に生活を共にし、成長していく物語です。
兄の逸騎(いつき)、長女の丹華(にけ)、妹の燦空(さんく)はパン屋を営む両親に育てられていました。冒頭、地震が起きる場面で、3人は父も母も目の前で失うことになります。冒頭のこのシーンは、生々しく痛ましいので、怖がりな小学生は飛ばして読んでもいいかもしれません。
語り手は、長女の丹華。丹華は地震のときに、足を負傷し手術してもらうけれど、以前の健康な足には戻らなくなってしまいます。そのため、歩くのも人より時間がかかり、学校ではいつも一人だけ取り残されたようになってしまいます。それでも、丹華はゼロ先生の回診を一緒に回ったりと明るく元気に成長していきます。
丹華が小学3年生4年生6年生、中学2年生と成長していく過程で起こったできごとが丹華の目線で書かれているので、読みやすいです。
小学生でも読める作品ですが、中学生高校生にも手にしてもらいたい本です。
生きていく上で大切なことを教えてくれ、本当の強さと優しさを教えてくれる作品、こういういい本にもっと多くの学生に触れてもらいたいです。
原田マハさんの小説は、『生きるぼくら』も中学受験で出題されています。『生きるぼくら』もこの『翔ぶ少女』と同様、多くの人に読んでもらいたい作品です。が、小学生には、この『翔ぶ少女』の方が読みやすいでしょう。
原田マハさんの作品は、読んでいて辛いところもありますが、人間が温かく、希望が見えてくる素敵な作品です。ぜひ読んでみてもらいたいです。
中学受験では、2015年度第1回芝中学校、2015年度鎌倉女学院中学校の国語の入試問題で出題されました。
◆2015年度第1回芝中学校の国語の入試問題
大問4番で、第8章からリード文ありで、文庫で約11ページ分が出題されました。丹華が小学6年生のときに男の子に恋をした場面です。恋愛の気持ちを問う問題が出題されていました。
大問1番は漢字、大問2番も漢字、大問3番は論説文で大問4番まででした。
この大問4番の設問形式は、問1から問4までで、30字が2問、45字が1問、55字が1問で、全て記述問題でした。
◆2015年度第1次鎌倉女学院中学校の国語の入試問題
大問3番で、上記の芝中学校と全く同じ部分が出題されました。
大問1番は漢字、大問2番は連想できることば、大問4番は説明文で大問4番まででした。
この大問3番の設問形式は、適語補充が1問、抜き出しが2問、5択の記号選択が6問、語句の表現が1問、10字の記述が1問、15字の記述が1問で全部で12問でした。