『メモの魔力』を読んで
現在発行部数53万部にも上り、株式会社トーハンが発表した「2019年 年間ベストセラー」のうちビジネス部門において1位を受賞した「メモの魔力」について今更ながら解説していきます。
まず一概にメモと言っても本書では2種類のメモがあると言われてます。
一つは記録のメモで、もう一つは知的生産のメモと言われるものです。
普通の人が一般的にメモをすると言った場合、一つ目の記録的なメモであり、ただ事実を並べる、言わば作業のようなものです。
しかし、前田式メモ術を得とくし、習慣化することができれば、これからの人生は大きく変わると述べられており、自分も読んでいてそう感じました。
まずこの知的生産のメモをするのが良い理由が5つあります。
①知的生産の向上
②情報かくとくの伝導率向上
③傾聴能力の向上
④構造化能力の向上
⑤言語化能力の向上
①②…この二つは少し繋がっていて、前田式メモ術は後ほどやり方を説明しますが、相手が話してることや日常生活の中にある気づきを受動的ではなく、常に自分のアンテナをビンビンに立てていないといけなくなるので普段何気なく素通りしていた情報をメモによって気づくことができるようになります。
情報を素通りしなくなると、もちろんインプット量が多いのでアイデアも増えていきます。
③…これはメモする姿勢自体が生み出すものです
例えると、何気ない会話の中でメモしたいと思うキーワードがあったとします。
その時に、「すいません!もう一度お願いします!」みたいな感じでメモの姿勢に入った場合、多くの人は嬉しい気持ちになり、さらに深い話までしてくれる可能性が出てきます。
いわゆる、コミュニケーションツールとして優秀な働きを見せます。
④…前田式メモ術では常に議論の全体像を俯瞰で見ることが可能になる為、話している最中には出てこなかった疑問やアイデアが出てくることもあるというものです。
つまり、議論の時間が同じ1時間でも、密度がこく付加価値が大きいコミュニケーションが成立するということです。
⑤…メモはインプットのようにも思われますが、頭の中で整理したことを文字によって言語化するという効率の良いアウトプットになります。
会議での会話でも日常の気づきでもなんでもメモを書くことで言語化の強制力を自分自身で作り出すことができます。プラス、事実に対する疑問をじぶんに問うので、説明力もつきます。
では具体的に書き方を説明します。至ってシンプルです。
大きく分けると、ファクト(事実)→抽象化→転用の三つに分けられます。
ファクトと転用はなんとなく分かると思います。
どういう風にやるのかむずかしいのが抽象化と言われる作業だと言えます。
これは一言で言うのであれば、具体をシンプルな言葉にまとめる思考プロセスが抽象化と言います。
ではこのシンプルな言葉にまとめるためにはどうすれば良いか…
それはWhat、How、Why、この三つを使い分けながらファクトを噛み砕いていくとできます。
ちなみにこの三つの中で一番大切なのは何かと言うと、Whyです。ほぼどんな事象にも問うことができるので理由を抽出して他の分野に転用するために最も良い問いになります。
まとめ
メモをする上で細かいところで工夫したほうが良いところはあります(四色ボールペンを使ったり、記号を使ったり、…)が本書で何度も書かれていたのが、どんなやり方でも良いのでまずはペンを取ってメモを書くことです。
抽象化や転用がうまくできなくても、ファクトをまず書きまくるでも良いので実行することが大切です。
注意点としては、最初はしょうがないかもしれませんが、ファクトを書いて抽象化ばかりしていても転用までいかなければ、ただの評論家になってしまうことです。
とは言ってもやっぱり、まずはファクト。やってみる!
これに尽きます。
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