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思想の伝達 ─2022/05/08

ゴールデンウィークが終わりを迎えようとしている。
気持ち的には9回裏・ワンアウト2,3塁、
しかしながら現実的には9回裏・ツーアウト走者なし、4点差。

まあ、つまり、ほとんど諦める場面なのだ。

何を?
これ以上の楽しみを、である。



お台場で開催されていた「肉フェス」にも足を運んだ。

ヴィーガン推進派の活動家が、家畜が屠殺されている風景写真をプリントして会場の敷地”外”の芝生に貼り付けているのを見たのだが、これに関してはいささか疑問が残る。

もちろん、ヴィーガンである人々の根幹に据えられている思想そのものにもやや懐疑的なのだが、それを他者に伝える方法にも、だ。

中央上の黒い帽子を被っている人が地面に貼り付けていた

こういったショッキングな画像を多くの人目に触れさせるということは確かに注目を惹くかもしれないが、同時に「その思想に共感してもらう」という目標を達成できるかどうか、という点について考えるとその達成には程遠いんじゃないだろうか。
「家畜を襲うこのような悲劇についてあなたはどう思いますか」という考えを他人に伝えたいのであれば、それを駅前でもどこでも喧伝すべきだし、「このような悲劇を止めたい」のであれば、そもそもこんな場所にいる群衆に向けてメッセージを発信するのは見当違いだろう。人間の営みのうち最も重要である「食事」について、大多数の人々に「肉食をやめる」という非常に大きな転換を求めるのだったら、もっと大きなキャンペーンを打って然るべきなのである。

インターネット上でバズりはすれど、今回のこの活動でヴィーガンに宗旨変えした人なんていないだろう。「ヴィーガンの人は攻撃的・暴力的なんだな」というネガティブイメージをただ大衆に植え付けただけにすぎない。

もちろん僕はヴィーガンに否定的なわけじゃない(体質的に受け付けない人もいるワケだから)し、反対するわけでもない。自分の進みたい道を行く、それが一番なんだから。ね。


自らの考えを他人に伝え、それを他人に享受してもらうのはタイミング・シチュエーション・メソッドを吟味しないと非常に難しいのだということを、今回は学ばさせてもらった。そういった点では逆に感謝すべきかもしれない。

そんなことを考えていたら、大型連休は終わった。


肉はしっかり食べた。ひと皿1400円もする。高い。
ヴィーガンとそうじゃない人で、最終的な食費はどのくらい差がつくんだろうな。まあ、雑食の方が絶対安くつくんだろうけど。野菜かて高い。




(終)

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