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Flowers ─2022/01/08

好きな音楽家が亡くなった。

入り口はやっぱりP-MODELで、いわゆる”改訂”期(1995~1999年の活動を指す)のメンバーだ。アルバム『電子悲劇 /~ENOLA』(1997)で「BOGY」とか「COLORS」なんかの名曲を書き、ものすごく惹かれた。

当時はひねくれた高校生だったので、どうせなら”デカい”CDショップなんかに売っていないCDを聴いて楽しみたいという思いがあった。で、ソロ1stアルバム『Flowers』(2015)と、発売されたばっかりの新譜『ambi-valance3』(2016)を中野・メカノで買ったのがさらなる出会い。
『Flowers』は四つ打ちがベースとなったポップでカラフルな曲調が多く、一方で『ambi-valance3』は音叉の共鳴音(当時、ライブで公式販売していた音叉を観客が好きなタイミングで鳴らすという試みがあった)を軸に据え、どちらかというとアンビエント・ドローンだけど、それともまた少し違ったような曲調だなぁ、という印象だった。

相反する(まさにアンビバレンスなわけだが)しかし深いところで繋がっている雰囲気を湛えたこの2枚のアルバムをきっかけに、どんどんと福間さんを追いかけるようになった。



活動拠点を京都に置かれていたので、おいそれとライブに行くこともできず…。結局、初めて福間さんの音楽を生で聴けたのは2019年12月21日の「Masters of Electric Music 2019」だった。ご存知、三浦俊一氏が主宰するレーベル”Beat Surfers”による企画で、サワサキヨシヒロ→福間創→中野テルヲという垂涎のメンツ。なんせ3年前だから記憶が曖昧だけれど、確かサワサキさんが結構な四つ打ちで、テルヲさんがいつも通りのベース&ギター&オシレータを駆使した独自のパフォーマンスだった。

まあ滅多に東京でライブしなかった福間さんが来る!というのを理由に行ったようなものだからだけれど、福間さんの出番はめちゃくちゃ記憶に残っている。会場の照明がすべて落とされた中で、ステージ上に居る彼と、彼が操る機材から伸びるように設置された小型のデスクライトだけが光を放っていた。会場内には大音量で電子音が反響し、まるで宇宙空間に投げ出されたように感じた。

終演後、来たる新作アルバムから何曲か抜粋したバルク盤が物販スペースで販売されていたので、それとトートバッグをまんまと購入。そのアルバムに福間さん御本人が目の前でサインしてくださって、もう感激の極みであった。あのCDは今でも僕の宝物のひとつである。結構フランクにサインを描かれる方みたいで、トートバッグに何度もサインしてもらっている(別の日時・会場で)人をTwitterで見かけた。ユーモラスな人なのだ。


そのユーモラスさはご本人のTweetからも伺える。

最近だとこれが好き。



で、一昨年の2020年。平沢進・小西健司の両氏を迎えて制作された新作アルバム『this is our music』が発売された。もちろん買ったし、より洗練された「ポップ」ミュージックなんだなぁと思って聴いていた。

聴きながら「ライブが待ち遠しいなぁー」なんて思いつつも、2020年にはライブ開催の報もなく、そして2021年にもそんな動きはなく…。



根治は難しいという状態を拒絶するのではなく、病を自身を形成する一部として受け入れ共存していくために、2021年は音楽活動を一旦休止し、身体のメンテナンス期間とさせていただきました。
そして2022年は創作を再開していくという思いで、ゆるやかに助走も始めていました。

https://www.helios-phere.com/oshirase20220107 より

そうだったんだなぁ。
Twitterもnoteの方も追いきれてなくて、僕が知らなかっただけなのかな。

雑誌『Filter』でも改訂Pメンバーの3者が集まっていて「うわ、これは再結成とまでいかないけど共演あるかな」なんて期待を抱いたりしていたけれど、まさか一番若い福間さんから行ってしまうなんて。



いちファン、いちフォロワーとして、お悔やみを申し上げるとともに、
あちらでも存分に創作活動をおこなわれることを願っています。

今まで、ありがとうございました。好きです。

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