7つのダンダーンの比較評価(まとめ)
7つのダンダーンの特徴を比較してみよう
評価軸はこれ(5段階)
評価軸については以下の5段階で行います。評価のベースとなるものを(最も知られており、遊ばれている)青ダンダーンとし、それよりも大きい小さい、広い狭い、深い浅い等の相対評価を行います。
お手軽度(プレイ時間)
1ゲームにかかる時間です。ゲームルールの説明時間を含め1ゲーム終了するまでの平均的な時間をベースにします。こちらは青ダンダーン(約30分)を★3とし、長いものは★を少なく、短いものに★を多くつけます。あくまでもプレイ時間による区分けなので、これがゲームの面白さの評定につながるわけではありません。
簡易度(ルール/カード)
初プレイでルールを知り、カードを初見で見て「やりたいことがわかりやすいか」を採点基準とします。青ダンダーンのわかりやすさを★3とし、ルールが複雑でカード自体が難しいものは★を少なく、ルールとカードが単純でわかりやすいものに★を多くつけます。こちらも「簡単さ」を軸にした評価なので★が少ないからといって悪いわけではありません。
戦略度(呪文の応酬/相互作用/オブジェクト数)
ゲーム中にどれだけスタック上で呪文の応酬が行われるか、相手の持つカードの読みが必要か、戦場のパーマネントの相互作用が多いかなどを採点基準にします。1つ前の「簡易度」と若干相関がありますが、こちらは戦術戦略の簡易度を評価します。青ダンダーンの戦略性を★3とし、戦略性が簡素なものに★を少なく、深いものに★を多くつけます。
運ゲー度(逆転可能性)
ライブラリーTopから盤面がひっくり返りやすいデッキの度合いを示します。青ダンダーンを★3とし、詰め将棋のようにライブラリーTopだけでは解決しにくい状況がつくりやすいものに★を少なく、ライブラリーTopからのゲームがひっくり返りやすいものに★を多くつけています。
青ダンダーン《ダンダーン》
元祖《ダンダーン》はゲーム時間が約30分程度であり、隙間時間で遊ぶにはちょっと長い印象です。ルールは比較的わかりやすく(=追加ルールが少なく)、カードも単一の効果を持つものが多いため初見で理解しやすいです。しかしインスタント中心で呪文の応酬が多く、終盤は詰め将棋のように相手の勝ち筋を潰していくゲーム展開になりがちです。
(最も遊ばれている)青ダンダーンを中心に他のデッキを評価します。
お手軽度 ★★★
簡易度 ★★★
戦略度 ★★★
運ゲー度 ★★★
白ダンダーン《ヨツンの兵卒》
白ダンダーンは《ヨツンの兵卒》の累加アップキープをいかに払って攻撃していくか、相手のヨツンをいかに倒していくかを焦点としてゲームが進行します。ヨツンがライブラリーを修復するのでゲーム時間は長く、1時間近く決着がつかないこともあります。
《終わりなき時計》がキーカードであり、コレの能力をいかに使わせるか、追放させてのリシャッフルを使わせるかが焦点となります。墓地がコストとなっているため簡易さは《ダンダーン》より下がります。
戦略度については、手札、戦場、墓地、ライブラリーの管理、スタックでの呪文の応酬、どれも高いレベルで必要とされるので、デッキ内のカードをよく知りじっくり遊ぶのに向いています。
その結果として、相手の手札を読みプレイを進めたり、相手の逆転手筋を消すようにゲームを進めたりすることになるため運ゲー度はとても低くなります。
お手軽度 ★
簡易度 ★★
戦略度 ★★★★★
運ゲー度 ★
黒ダンダーン《奈落に住まう騙し屋》
《厳粛》が統率領域にあるために《奈落に住まう騙し屋》があっち行ったりこっち来たりするゲーム環境が提供されます。複数の騙し屋をコントロールする盤面が形成されやすく、ゲーム時間は10分~15分程度と短くなる傾向があります。
《厳粛》環境下での騙し屋の動きを理解してもらうことが必要ですが、カードは単一の効果しか持たないものが多く使い方が限定されているためわかりやすいです。
騙し屋が墓地に行った瞬間に使うインスタントが数枚あるため、その部分で戦略度が少し高いです。しかし、呪文の応酬は発生しにくく盤面には騙し屋しか存在しないため単純な状況が展開され続けます。
ライブラリーTopからの沼渡りや全除去での逆転が起こりやすく、プレイはとても刺激的です。
お手軽度 ★★★★★
簡易度 ★★★★
戦略度 ★★
運ゲー度 ★★★★
赤ダンダーン《岩山トカゲ》
ダメージを受けるだけでコントローラーになびいてしまう《岩山トカゲ》が戦場に複数体並ぶので、全除去(1点ダメージ呪文)であっという間に寝返って決着がつくことも多いです。ゲーム時間は10分~15分くらいになります。
「トカゲをフェイズアウトで出せる」ルールさえ覚えれば難しいカードは入っていません。読んで字のごとくダメージを与えてトカゲのコントロールを奪いあうゲームです。
相手とこちらの除去の噛み合いだけが戦略度に寄与します。それは手札から配られたカードに完全に依存するため、その意味でも戦略度は低いです。
ライブラリーTopから解決策(ダメージ呪文)が降ってくることは非常に多いです。それ故にトカゲを取り合うシーソーゲームとなり、除去が尽きた方が負けという明快な結末が訪れます。
お手軽度 ★★★★★
簡易度 ★★★★★
戦略度 ★
運ゲー度 ★★★★★
緑ダンダーン《ふくれた汚染者》
《ふくれた汚染者》はライブラリー修復を無限に行えるものの、デッキには複数の勝利パターンが導入されており、それらのどれかを満たせば勝てるようになっています。そのためゲーム時間は30分程度と長くありません。
ゲームルールは「ライフ2,000点」「統率領域に《ドルイドの誓い》」「汚染者をフェイズアウトで出せる」と多く、初めて遊ぶプレイヤーにはとっつきにくいです。
5種の勝利パターンを理解し、それの成立を目指すプレイングとなるため、他の《ダンダーン》とは一線を画したデッキになっています。カードも場面ごとに必要なものが切り替わるため、どのカードがどの戦術に効くのか知っている方が有利となります。ピッチスペルによって呪文の応酬もおおくなり、そこで負けると一気に不利になります。
とはいえ自分の勝ちパターンがハマり、相手に対抗策がない場合はあっさりゲームが決まったりします。その意味で運ゲー要素を評価しています。
お手軽度 ★★★
簡易度 ★
戦略度 ★★★★★
運ゲー度 ★★★
多色ダンダーン《ピストン拳のサイクロプス》
《ピストン拳のサイクロプス》を複数体戦場に並べて殴って勝つという明快なゲーム進行になります。ゲーム時間もそこそこで30分以内に決着がつく場合がほとんどです。
モードを持つ呪文や複数の対象を取るものなどが他のデッキより多く入っているので若干複雑(とはいえ元祖《ダンダーン》より全体としては単純)です。土地が5色にわたるため管理が若干煩雑です。
呪文の応酬はあまり起こりませんが発生した場合は負けた方が致命的になる場合が多いです。手札に来た呪文を叩きつけていくスタイルでゲームができます。
5マナ呪文3種《都の進化》《ボーラスの奴隷》《不吉なワルツ》を使ったプレイヤーに天秤が傾くので、(それを引けるかという意味で)運ゲー要素は高いと感じられるでしょう。
お手軽度 ★★★
簡易度 ★★★★
戦略度 ★★
運ゲー度 ★★★★
茶ダンダーン《錆の精霊》
《錆の精霊》に餌を与えつつ相手を殴るデッキです。序盤、中盤、終盤それぞれにやるべきことが明快であり「わかりやすい」デッキになっています。ゲーム時間は30分弱です。
カード自体は難しいものは含まれておらず、何をしたいカードかはわかりやすくなっています。アーティファクトデッキという特性上、オブジェクトが盤面に増え続けるので管理が大変なのは他のダンダーンと異なります。
アドバンテージを取れるアーティファクトを並べ、差がついたところで《錆の精霊》で殴るという勝ちパターンもわかりやすいです。デッキの特性上、呪文の応酬が発生しないため淡白な印象を受けるかもしれません。
盤面をひっくり返すカードは入っておらず、地味に増やしたアドバンテージで勝つゲーム展開になるため、運ゲー度は低めの設定です。運の要素はアドバンテージエンジンとして「何を」引けたか、の部分にかかっています。
お手軽度 ★★★
簡易度 ★★★
戦略度 ★★
運ゲー度 ★★
おしまいに
これまで7つのダンダーンを作成してきましたが、それぞれにバリアントルールやプレイ環境、デッキ内のインタラクションカード、ゲーム展開が全て異なるデッキになったのはとても興味深いです。
ダンダーン関係の記事はこれで一旦おしまいですが、今後も面白そうなカードが入ったかどうか定期的に確認しながらアップデートを続けていきたいと思っています。
ここに、一緒になってダンダーンのテストプレイをしてくれた、北陸、新潟のプレイヤーの方への感謝の言葉とともに筆を置きたいと思います。読者の皆様にも本当にありがとうございました。
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