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「花は咲く、修羅の如く」2025年冬アニメ感想8~放送部にも全国大会がある!普段知ることのできない朗読の世界。

「花は咲く、修羅の如く」は、原作:武田綾乃さん、作画:むっしゅさんによる漫画作品。『ウルトラジャンプ』(集英社)にて、2021年から連載中。既刊7巻。

幼い頃、春山花奈はTVで天才子役西園寺修羅の朗読を見て憧れ、自らも朗読を始める。いつしか近所の子供たちに朗読会を行うようになり、子供たちもそれを楽しみにしていた。

中学卒業後の春休み、朗読会を終えた花奈に「いい声しているな!」と声がかけられる。

薄頼瑞希、すももが丘高校放送部の部長だった。
花奈が同じ高校に進学すると知った瑞希は「朗読好きなら放送部に入れよ」とスカウトする。

その誘いに心揺れる花奈だが……。

花は咲く、修羅の如く アニメ公式サイトより

ふだんあまり学園青春モノは見ないのですが
今回は部活動もので、聞いたことがない放送部とのことで見てみました!

いつもより多めの2196文字です。

気になるポイント

・放送部って何をする部活なの?

そこからわからなかったので調べました

放送部の活動
昼、夕方の放送や、連絡放送だけでなく、体育大会や学校説明会など学校の放送に関わることを行っています。
文化祭では音響、照明の演出をしています。 そのため、普段の部活では発声の仕方や、機材の操作などを学びます。 また、NHK放送コンテストに向けて、朗読の練習や映像編集もしています。

昼休みの放送とかたしかにあったなあ。
でもそれは放送委員会の形式だった気がする。
文化祭でも見かけなかったので、私が行ってた学校にはなかったですね。

また作中にも言っていたNHK放送コンテスト。初めて知りました。

朗読部門の他にも創作テレビドラマ部門、創作ラジオドラマ部門なんていうのもあって聞いてみたのですが、みなさん声が良い!声優さんみたい!

テレビのVTRとかで見るようなミニドラマも完成度高い。
企画、製作、脚本、声優全部やっめるんですよね。

高校生でこんな活動してるなんてすばらしい。
将来テレビや映像業界を目指してる人にはぴったりの部活動ですね。

・朗読の演出について

普通の会話の仕方と朗読は声の出し方が違うので、朗読の時にはガラリと印象が変わる、というのを表現しないといけないと思うのですが、

アニメだと声優さんが演技しているので、そこまで大きなギャップを生むのは、難しいのかなと思いました。
その分、映像で表現していましたね。
朗読が始まるとあたりが暗くなる。

1話後半で主人公の花奈が、雨の中、海に向かって朗読をしていたシーンではイメージ映像でなにやら禍々しい映像になっていました。

花奈が朗読していたのは、宮沢賢治の春と修羅。

小学生の時にテレビの朗読で聞いたものと同じ。

フェリーに乗って帰る時、花奈は同じ春と修羅を朗読していたのですが、声は弱々しく
瑞稀にも「おとなしいな」と言われていました。

2度目は雨の中、激しい朗読の仕方に変わり
同じ詩でも、朗読によってここまで変わるとは!
という演出に。

©武田綾乃・むっしゅ/集英社・すももが丘高校放送部

何かが憑依しているようで、恐ろしげな朗読に…!

全体の感想

放送部を知らない人も多いと思うので、どういう活動をしてるのか見てると知りたくなる
間の作り方が丁寧
朗読のシーンは静かな部屋で一人で視聴推奨
(古典の場合は字幕あったほうがいいかも)

今回は宮沢賢治の春と修羅の同じ朗読を3回重ねてくれたのですが、詩の意味がわからなかったのであとから字幕で見直して、調べました。

古典の朗読って、読んだことのないものだと朗読聞いても理解できないから、「よくわからない」ってもったいないことになりそう。

古典は必ずしもみんなが読んでるとは限らないので、有名なものだったとしても、置いてきぼりになっちゃうかも。
(宮沢賢治くらい誰でも知ってるでしょ、だと、なかなか視聴者もハードル高くなるかも…)

あと画面がかなり丁寧に作られているので流し見で見ると演出意図が分かりづらいと思う。


春と修羅、知らなかったので調べてみました。

心象のはひいろはがねから
あけびのつるはくもにからまり
のばらのやぶや腐植の湿地
いちめんのいちめんの諂曲てんごく模様
正午の管楽くわんがくよりもしげく
琥珀のかけらがそそぐとき
いかりのにがさまた青さ
四月の気層のひかりの底を
唾つばきし はぎしりゆききする
おれはひとりの修羅なのだ

「春と修羅」宮沢賢治

個人的な解釈ですが↓

心は灰色の鋼のようで
4月の空も土も天気が良くて、天国のよう。(諂曲は、媚び諂うこと。から笑いをしている)
正午を知らせる鐘(楽しげな音色)、琥珀のようにキラキラとした光が注ぐ天気であるにもかかわらず、自分は、歯ぎしりをし、唾を吐き、怒り狂っている修羅にすぎない

ざっくり調べたのでちゃんと解釈できてないかもですが

主人公の花奈も、心の内は灰色で頑なだったけども、小学生〜現在までの長い間、周りはやりたいようにやっていて、楽しそうで、輝いて見えていたのを、歯を食いしばって見ていたのかもしれません。
自分は島で、下の子たちの面倒を見てたわけですからね。

自分の気持ちを言葉にするのではなくて、
古典の朗読を借りて、表現する。

小説なら、どんな思いで朗読しているのかを文字で書けますが、アニメだと絵と音だけで説明しないといけない。
なかなか難しいことをやっている作品だと思います。

宮沢賢治に興味出たので今年読んでみようかな

こういう出会いがあるからアニメ視聴っていいのよね!





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