画家・高橋大輔さんのアトリエ訪問
厚塗りの抽象画で有名な高橋大輔さんのアトリエに訪問してきました。
高橋さんの作品と言えば、椹木野衣さんの著書「感性は感動しないー美術の見方、批評の作法」の表紙に採用されたことで知られています。
東京近郊の某所、コレクター仲間と駅で待ち合わせして、徒歩10分ほどのアトリエに到着。古民家を改造したアトリエは、古くカレースパイスの工場として稼働していたとの話しでした。
高橋大輔さんは現在、東京造形大学で非常勤講師をされており、アトリエの隣の場所で絵画教室も運営しています。作家活動を含めて画業で生計を立ててらっしゃる方です。
伺ったアトリエは平屋の一戸建てでしたが、2階部分が抜けていて、天井高の高い空間となっていました。壁面は綺麗に白く塗られていて、私たちの訪問のために飾ってくれたであろう作品が整然と、びっしり展示されていました。さながらギャラリーで開催されている個展のような演出に、非常にテンションの上がる場所となりました。
高橋大輔さん、2019年の展示機会は今のところ予定されていないそうです。2020年に関東圏の美術館で大規模のグループ展を開催するようで、そのための制作に邁進されているようです。
現在はアノマリー(URANO)さんに所属しているそうですが、所属が作家70名ほどいるそうです。それほどの大ギャラリーですから、ギャラリーでの個展開催はスケジュール的に難しいのでしょうね。
アトリエは、天井高が高く、視界が遠い作品ははしごを使って掛け替えしてくれるなど、非常に気を遣って頂きました。お茶やアイスなども用意して頂いたり・・・。歓待いただいて非常に恐縮でした。
高橋さんも、普段は籠りきりで制作していることもあり、作品を披露することで色々な意味で刺激されるとの話をされていて、制作時間や休み時間を奪ってしまうような意識もありましたので、少し気持ちが楽になりました。
色々とご説明いただく中で、制作におけるスタイルもいくつか勉強になりました。
一旦完成をみた作品でも、しばらくして加筆したり、絵の向きを上下逆にしたり、納得するまで制作は続いていくようです。
厚塗りの抽象画が代名詞になっている高橋さんですが、現在は「スタイルを決めない」ということで制作を進めてらっしゃいます。事実、作品の幅が多様で、私の受けた印象も少し変わりました。
ムンクを描いた上からハンマーの絵を描いて見えないようにする作品「ムンク・アンダー・ザ・ハンマー」って言うのがコンセプト的に面白かったです。
気に入った作品はギャラリーに問い合わせて価格などの確認を行うような形になります。あまりにも素晴らしかったので、ストレートに価格を伺ってみました。「高いんですよね・・・」と恐縮されていましたが、12号の作品で30万台後半でした。
もちろん金額は高いですが、高橋さんクラスの画家の作品としては、買えない値段ではないなぁ・・・、と思ったのと、100号ほどの作品でも「意外に安いなぁ」という設定でした。
アトリエ訪問史上、最長の時間になりました。
高橋大輔さん、ありがとうございました!