M2生活ー『タラント』で覚醒
最近、夜寝る前に、角田光代さんの小説『タラント』を読むのが日課になっています。
この時間帯は、軽めのエッセイや小説が適していますよね。
私、小説はミステリー系が好き(特に北欧ミステリー)なのですが、寝る前に読むと寝付けなくなるので、禁止しているのです。
大学院に行きだしてから、研究関連以外の本を読まなくなった時期があったのですが、最近はまた小説など読みたくなってきたのですよ。
で、先日、お散歩中に立ち寄った本屋さんの文庫本新刊コーナーに平積みされていたのが、『タラント』だったんです。
角田光代さんの作品は、エッセイしか読んだことなくて。
旅のエッセイ『いつも旅の中』や、猫エッセイ『今日も一日きみを見てた』などは好きなのですが、どうも小説はピンと来なくて読んだことなかったのです。
でも、本屋さんで『タラント』を見つけた時、読んでみようかなという気になったのは、タラントという、すごくカッコいいフラメンコの曲があるので、作品のモチーフになっているのかしらん、と思ったからです。
裏面のあらすじをざっと読んだら、最後の行に、
「あきらめた人生に使命<タラント>が宿る>」と書いてありました。
タラントって使命という意味だと知って、さっそく本を買って帰りました。
で、後で判明したのですが、この小説に出てくるタラントはギリシャ語由来の言葉で、フラメンコの曲とはまったくの無関係、たまたま同じ発音の言葉だっただけ、でした(とほほ)
そんな感じで、特に期待もせず(失礼!)、夜ドキドキ心拍数があがって寝付けなくなる心配もなく、少しずつ読み進めていました。
それで、だいぶ後半になって(結構な長さの小説です)、主人公が自分のタラントに気が付くあたりから、じわじわ来だして、不覚にもちょっと泣けてきたんです。
そして、急に今やっている修論の調査について、ああ、そういうことか、と閃いたのです!
最近、修論の調査協力のお願いをいろいろなところにしているのですが、なかなか協力してくれるところがなくて、ちょっと落ち込んでいたのです。
その日も、とある団体から「詳細は電話で」と言われたので電話をしたのですが、かなりネガティブな対応で、どうもその人が見ている現実と私が見ている現実が全然かみ合わない感じがしたんですよね。どっちが正しいとかじゃなくて、見えてる世界が違うんだな、と思ったのです。
その団体に限らないのですが、そういう風に考えている人が一定数いる感じがしていたのです。そっちに寄せないと調査できないのかな、とか、ちょっと弱気になりかけていたのですが、
「私の研究なんだから、他の人がどう考えようが、私がやりたいようにやればいいんだよね」と、急に思えたのです。
うわ、今いいこと閃いた!忘れないように起き上がってメモろうか、とも思ったのですが、面倒なのでそのまま寝ました(笑)。
「やりたいようにやる」と決めて、もう、それはいろいろな方に調査協力をお願いしているのですが、捨てる神あれば拾う神あり?協力してくださる方が少しずつ増えてきました(涙)ありがたいです。
私と同じゼミのTちゃんも自力で調査協力を依頼していて、2人で
手を取り合って、お互い励ましあいながらやってます。
昨日はゼミで指導教授から、
「めげない心、が一番大事だよ~」
「論文投稿も、めげない人だけが達成できるんだよ~」
と励まされました。
「僕もね、学校関係の研究やった時、100校ぐらいに当たって、やってくれたの2校ぐらいしかなかったことがあったんだよ」と嬉しそうに語ってました。さすがです。
で、「学校」というワードから、教授と同時に「××の事務局に聞いてみたらどうか?」と思い立ち、ゼミの帰りにさっそく寄ってみました。
ちょっと塩対応されたけど、めげずに笑顔で説明して帰ってきたのですが、さっき「掲示板に告知を掲載することは可能です」との返事がきました!
よかったです。
修論がメンタルを鍛える場だったとは!
だいぶ長いこと生きてきたけど、まだまだ修行が足りなかったようです。
調査は始まったばかりですが、なんとかいい研究にできるように、私のタラントを大事にして頑張ります。